とはいえ、「Office for Mac」などの製品を開発している部署もMicrosoft社内には存在し、必ずしもライバル製品を排除できるものではない。WSJによれば、同社役員らを対象にしたミーティングで、ある従業員が社内でのiPhone使用にして質問したことがあるという。これに対して携帯電話ソフトウェア開発事業を束ねるシニアバイスプレジデントのAndy Lees氏と、同氏の上長にあたるデバイス部門トップのRobbie Bach氏は「ライバル製品の利用はより良い競争の理解につながる」と擁護コメントを出したようだ。

だが、COOのKevin Turner氏はこの意見を一蹴し、「ここ(Microsoft)で使っていいものとは、Microsoftにとってメリットのあるものだ」と、従業員らのiPhone利用を牽制した。CEOのBallmer氏もほぼ同様のスタンスを示しており、同氏が(自動車産業の本拠地である)デトロイトで育ったことを告げるとともに、当時同氏の父はFord Motorで働いており、家族もまたFordの車を運転していたと語ったという。一種の愛社精神が必要ということだ。

"けじめ"をつけた幹部も

上層部でも意見の割れるMicrosoftでのiPhone利用だが、WSJによれば幹部のJ Allard氏はiPhoneユーザーの1人だという。同氏はXbox事業幹部の1人だ。一方、同社ビジネス部門プレジデントのStephen Elop氏は、Microsoft入社と同時にiPhoneを公に廃棄した人物として知られている。同氏がBallmer氏の勧誘でMicrosoftに参加したのは2008年初めのこと。以前まで米Juniper NetworksのCOOを務めており、さらにその前は米Adobe Systemsのワールドワイド担当幹部だった。同氏がAdobeに参加したのは2005年のAdobeによるMacromedia買収を受けてのもので、このころから長きにわたるApple製品ユーザーだったようだ。しかしMicrosoft入社を機に、"けじめ"かどうかは分からないが、同氏のiPhoneを強化ミキサーに放り込んで粉砕する様子のビデオ映像を公開したという。

「Windows Phone 7」リリースで状況は変化するか

comScoreのネット接続状況調査によれば、米国でのスマートフォン市場のシェアはiPhoneが25.1%、Windows Mobileベースのものが15.7%だという。MicrosoftはDangerのSidekick事業を買収し、今年秋にはZune HDのインタフェースを模した最新端末「Windows Phone 7」シリーズをリリースすることになるが、こうした状況を覆すことができるだろうか?

そういえば、あと1人重要な人物を忘れていたが、同社会長のBill Gates氏はどうだろうか? 同氏は2008年にMicrosoftのフルタイム勤務から解放されたが、今年1月にニュース番組「The Daily Show」に登場した際、司会のJon Stewart氏からiPhoneを利用する可能性について聞かれたとき「私はMicrosoftの特上顧客の1人だよ」とコメントしていたという。