海外旅行で携帯電話を使って1、2月後、その請求額に驚いたことはあるだろうか? 欧州委員会では3月1日(現地時間)、こうしたユーザーらの声に応える形で、携帯電話の利用にあらかじめ上限を設ける法案を通過させた。今年7月1日以降、同国のキャリアらは上限以上の許可なしでの課金ができなくなるとともに、リミット到達直前にはユーザーへの警告が求められるようになる。
英BBCによれば、もし7月1日の法案執行開始になってもユーザーからのキャリアに対するリミット設定要求がない場合、自動的に50ユーロの上限料金が設定されるという。また法案ではリミット到達前のユーザーへの警告が義務付けられており、設定料金の80%を超過した段階でユーザーへの通知が行われる。ユーザーはリミットに到達した時点でそれ以上の利用ができなくなる。
今回の法案成立の背景には、度重なる「データローミング」に関する料金請求トラブルがある。明確に使い分けが可能な一般通話と異なり、データ通信では使用状況が見えにくく、思った以上に使ってしまうというケースが多い。またローミング料金が非常に高額であることも問題で、1 - 2週間程度の旅行で10万円を超えるような請求も珍しくない。ユーザー自らリミットを課すとともに、キャリア側がこうしたローミングを利用して必要以上に料金請求を行う事態を防ぐ狙いがある。また将来的にはユーザーが必要以上のアクセスを避けることで、データローミングにかかるコストの引き下げを狙う効果も期待できるとしている。