Big Bang-Fuzionが手元にあるのはタイミング良かった。かなりのハイエンド向けP55マザーボードで、Lucid HydraによるGPU混載が目玉ではあるが、アルミコンデンサを上回る高品質なポリマータンタルコンデンサの「Hi-c Cap」が全面採用されているほか、CPU電源回路には1フェーズで従来回路の4フェーズに相当するという「DrMOS」も搭載されている。回路のうんちくを聞いただけで「回りそう」なボードなのだが、実際どうなのか、は気になるところだ。Pentium G6950自体は省電力なCPUであるため、オーバークロックでどの程度負荷に耐えられるかには疑問があるが、とにかく試してみたい。

電源回路にもこだわったMSIのハイエンドマザー「Big Bang-Fuzion」。本来「Pentium G6950」には不釣り合いかもしれないが、オーバークロックでは心強い

そんなわけで今回の使用機材は、CPUがPentium G6950、マザーボードがMSIのBig Bang-Fuzion、そのほかメモリはDDR3-1333対応のバルクメモリ(2GB×2)、グラフィックスカードはMSIの「N280GTX-T2D1G-OC」(GeForce GTX 280)、HDDがWesternDigitalの「WD5000AAKS」(500GB,7200rpm,16MBキャッシュ)、OSはWindows 7 Ultimete 32bit版だ。メモリに関しては、本来オーバークロック用の高性能メモリを用いるのがベストだが、急に決まった企画ゆえ間に合わなかった。さらにCPUクーラーもまだ揃えていないため、リファレンスクーラーを使うというかなりセコい構成だ。また、グラフィックスカードを用いるのは、P55マザーということもあるが、内蔵GPUコアを使わない分、特に発熱に余裕が生まれるためでもある。

さて、Big Bang-Fuzionには「OC Genie」という自動オーバークロック機能が備わっている。まずはこの機能を試してみることにした。OC Genieの利用方法はこうだ。まず電源オフの状態でマザーボード下部にあるOC Genieボタンを押す(ボタンが青く光る)。そして電源を投入するとBIOSの段階でOC Genieがオンであることを示す表示が表れる。しばらくするとリセットがかかり、次の起動ステップでは既にオーバークロックされた状態となる……という流れだ。OC Genieが設定したのはベースクロックが188MHz、倍率が18倍で3400MHz相当である。この時点でもベースクロックからは600MHzほどオーバークロックされた状態だ。

Pentium G6950定格動作時のCPU-Zスクリーンショット

OC Genie任せのオーバークロックでは188MHz×21=3400MHzが設定された。倍率を変えるというのはなかなかインテリジェンス