ヤマハは、同社歌声合成ソフトVOCALOIDをさらに進化させた新しい合成エンジンソフトウェア「VOCALOID- flex」の提供を開始する。本製品では、従来のVOCALOIDの歌唱合成機能に加え、表現豊かな「しゃべり」を付加することができる。

VOCALOID-flex概要図

「VOCALOID-flex」は、従来のVOCALOID同様PCソフトウェアビジネスをはじめ、ネットビジネスや、ハードウェアへの組み込みなど幅広い分野での活用が期待される

本ソフトは、歌声に比べ音の微細な変化が要求される「しゃべり」を実現するため、従来のVOCALOIDでは実現できなかった、音韻(音素などの音の構成や長さ)や韻律(子音の長さ、音の高さ、強さ)の細かい編集を可能にした歌声および発話の合成エンジン。母音の無声化や脱落化などにも対応し、より人間に近い発話が可能になったという。また、本ソフトで使用する音声ライブラリは、新たに新しい音の素材を追加することなく、既存の歌声ライブラリでの活用も行える。同社では、VOCALOID-flexの提案により、愛好者から一般ユーザーへと拡大しつつある歌声合成の楽しみにさらなる表現力を加えると共に、NetVOCALOID(2009年4月発表)との組み合わせで、幅広いユーザーへのVOCALOIDの普及・浸透を目指すとしている。 なお、4月29日発売予定の人気ゲーム「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」(コナミデジタルエンタテインメント)では、登場キャラクターの音声制作ツールとして本ソフトが使用されているとのこと。