米AMDは18日、単体カード上に2基のGPUを搭載するウルトラハイエンドクラスのGPU「ATI Radeon HD 5970」を発表した。これまで"Hemlock"の開発コードネームで知られていたもので、同社GPU製品の新たな最上位モデルに位置付けられる。米国市場におけるグラフィックスカードの参考価格は599ドル。

「ATI Radeon HD 5970」のリファレンスカード

コアの製造プロセスは40nmで、トランジスタ数は43億個。演算処理性能は4.64TFLOPS。 Radeon HD 5800世代のGPUを2基搭載し、それらを協調動作させることによって高いパフォーマンスを実現している。それぞれのGPUは、ちょうどRadeon HD 5870とRadeon HD 5850の中間にあたる様な仕様となっている。

2基のGPUを連動させることで、4.64TFLOPSもの演算性能を実現

主な仕様は、コアクロックが725MHz、Stream Processor数が3,200基(1,600基×2)、ROPユニット数は64基(32基×2)、テクスチャユニット数は160基(80基×2)。メモリタイプはGDDR5で、容量は2GB(1GB×2)、メモリクロックは1,000MHz(データレート4,000MHz)。公称消費電力は最大294W、アイドル時42W。

主な仕様比較。Radeon HD 5970の各GPUは、HD 5870とHD 5850の中間のような仕様

グラフィックスカードのバスインタフェースはPCI Express 2.0。映像出力端子はDVI×2、DisplayPort×1。ほか機能として、ATI Eyefinity技術の搭載や、DirectX 11のサポートなどは、従来のRadeon HD 5800シリーズと同様だ。

オーバークロック耐性の高さも大々的にアピールされている。GPUコアの耐性だけでなく、高品質コンデンサの採用や冷却機構の工夫なども含め、かなりのヘッドルームが確保できているようだ