主な新機能
次にopenSUSE 11.2の新機能を紹介したい。openSUSE 11.2 Milestone 8に収録されている主要なアプリケーションおよびバージョンを以下に示す。こちらはまだMilestoneであり、Ubuntuよりも少し後に公式版がリリースされるためバージョンが異なる可能性はある。
- Linuxカーネル2.6.31
- GNOME 2.28RC
- KDE 4.3.1
- OpenOffice.org 3.1.1
- Firefox 3.5.3
- F-Spot 0.6.1.1
- banshee 1.4.3
- Amarok 2.2
- Pidgin 2.6.2
- SCIM 1.4.7
- YaST 2.18.25
openSUSEはUbuntuのようにCDイメージ1枚に収めているわけではなく、DVD用のイメージが配布されている。そのため、パッケージも多く収録されている。デスクトップ環境はGNOMEとKDEが入っており、インストール時に選択できるようになっている。
構成ソフトウェアはUbuntuと似ているが、音楽プレーヤーとしてGNOMEではBansheeが、KDEではAmarokが採用されている。また、IMにPidgin、IMフレームワークにSCIMを採用している点など違いが見受けられる。
openSUSE 11.2は、インターネットの流行りに敏感に対応しており、TwitterやFacebookといったソーシャルネットワークへの対応を進めている。ソーシャルネットワークは基本的にWebブラウザをインタフェースとして使用するが、専用のデスクトップアプリケーションを用意することでより快適なソーシャルネットワークのつながりを提供している。
たとえば、Twitter/identi.caクライアントのchoqok(KDE環境用)、Twitter/identi.ca/Facebookクライアントのgwibber(GNOME環境用)、KDE用のIMであるKopeteにはFacebookプロトコルのサポートが追加されている。ただし、今回のMilestone 8ではgwibberは標準でインストールされなかった。
Linuxカーネルのバージョンは同じであるため、高速化や新しいデバイスへの対応は同じ。また、openSUSE 11.2より標準のファイルシステムがext3からext4に変更された。
その他の変更点とアピアランス
その他にも改善されている部分が多々あるので、簡単に紹介していきたい。
総合設定ツールであるYaSTにも手が加えられている。今回、YaST Webインターフェースが搭載されたことで、リモートからopenSUSEのコンピュータ管理が簡単に行えるようになる。また、公式にアップグレードライブシステムがサポートされた。アップグレードライブシステムが搭載されることで多くのユーザーが最新の開発版をすぐに利用でき、レポートの収集があがるとしている。
11.2ではYaSTのマスコットであるYastieがアイコンとして登場している。これはYaSTマスコットコンテストで選出されたAardvark(ツチブタ)をモチーフにしている。
アップデートに関してはYaSTだけでなくコマンドラインパッケージ管理ツールであるZypperにも変更が加えられている。特にダウンロードに関する改良が加えられており、ミラーサーバの取り扱いや高速ダウンロードユーティリティであるaria2cを搭載した。アップデートの仕方も先にすべてのパッケージをダウンロードしてからインストールする仕組みに変わった。
openSUSE 11.2の動作画面を紹介しておく。KDEではAirテーマが採用され、GNOMEではSnoarテーマが採用された。Milestoneではあるがスクリーンショットも公開されているので参考にされたい。