直近のIntelは、というと折角の好決算の発表があったにもかかわらず、Pat Gelsinger氏の退職(http://journal.mycom.co.jp/news/2009/09/15/066/)がトップニュースになって、その他の話がかき消されんばかりの勢いである。そうした中で、Intelの公式掲示板であるIntel PR Chip Shotsの9月14日付けでJasper Forestについてのアナウンスがあり、またIDF Fall 2009のPress KitでプレゼンテーションやFact Sheet、Chip shotなどを公開し始めた。詳細についてはIDF Fall 2009で紹介ということになっているが、とりあえず現在わかっている範囲でJasper Forestの情報をまとめてご紹介したい。

これまでの情報とChip Shot

Jasper Forestの情報が初めて公開されたのは、今年4月に開催されたIDF Beijing 2009の、(まさに話題の人である)Gelsinger氏の基調講演である。Embedded and Storage向け、として紹介されたこの製品は、Dual CPUとIntel 3420から構成され、各CPUから3chのメモリバスとPCIe Gen2が出るというもの。言うまでも無くNehalemの新しい組み込み向け派生型である。このプレゼンテーションから、筆者はNehalemとJasper Forest、Lynnfieldが同じダイで構成されていると推定し、その構造を紹介した

これがひっくり返ったのは、今月8日にLynnfieldことCore i5/i7のダイ写真が公開されたからだ。どうみてもNehalemとLynnfieldは異なる、というかLynnfieldはNehalemにPCIeコントローラを継ぎ足した様な構造になっていることが明らかになり、ところが妙にブロック図を見ると腑に落ちない(メモリコントローラが3chあるように見える、QPIが1本は残っている風情、etc)ところから、LynnfieldとJasper Forestが共通であるという予測をした。

Photo01: なぜか今回公開された画像の解像度は低めで、やや荒れた画像になってしまっているのはご容赦いただきたい。

さて、Jasper Forestのダイ写真だが、こんな具合だ(Photo01)。で、Lynnfieldのダイ写真がこちらである(Photo02)。おそらくダイの表から撮ったか、裏から撮ったかの違いで細かな形状が違って見えるのだろうが、ブロックそのものはほぼ共通であり、唯一違いが見られるのはダイ左下である。

Photo02: これはCore i5/i7のレビューで示したものと同一である。

そこでもう写真にレイアウトを描き込んだのがこちら(Photo03)、Lynnfieldがこちらである(Photo04)。やはりLynnfieldとJasper Forestはほぼ共通で、違いはQPIが搭載されるかどうか、ということになるようだ(ESIに関しては後述)。後述のようにJasper Forestは7年の供給保障と10年の製品保障がつく完全にEmbedded向けの製品だから、専用ダイにしても不思議ではないが、だったらLynnfieldでわざわざQPIの部分をつぶす必要は無く、無効化して出荷すればいいのにと思わなくもない。

Photo03:

Photo04: これもCore i5/i7のレビューで示したものと同一である。