現在、ソニーマーケティングは、販売店/特約店向けの展示会「ソニーディーラーコンベンション2009」を開催中だ。開催前のプレス向け事前内覧会の冒頭で、同社代表取締役 栗田伸樹氏が、年末商戦に向けての取り組みについてプレゼンテーションを行った。

内覧会の会場内には、同社の主力製品が一同に集められた

販売店向けの内容もあるので、概要のみをお伝えするが、栗田氏は「昨年のAV事業は、北京オリンピックに沸いた前半から打って変わって、9月に起きたリーマンショック以降、前年割れとなった。しかし、今年の夏商戦では、エコポイント制度の追い風などもあり、フラットテレビが大きく市場を牽引した。これにより、AV市場全体が前年を越えるなど、市場回復の兆しが見えてきている。

ソニーマーケティング代表取締役の栗田氏

とくに、フラットテレビの出荷台数は、昨年のオリンピック需要を上回り、前年比141%の高い伸びを示している。年末は、回復への道を確実なものにすべく、先進技術に支えられた製品群と、その製品と繋がることの楽しみという両軸で、さまざまな提案を進めていきたい」と、さまざまな製品と、その製品がほかの製品と繋がることで生み出される、新たな楽しみ方や利便性を大きな軸としていくという方向性を打ち出した。

2倍速と4倍速による、液晶表示の見え方の違いのデモンストレーション

7日に発表された、超薄型セパレートタイプのブラビア「ZX5」も展示

ブラビアに採用されているFelica対応おき楽リモコン。リモコンの下の部分にリーダーが組み込まれており、アクトビラなどで、電子マネーでの決済が可能になる

続いて、その片方の軸である同社の主力製品について「動きに強い4倍速液晶を搭載したブラビア、さらに4倍速に加えて、エッジライトLEDの採用によりスタイリッシュなZX5シリーズを先日発表。またBDレコーダーでは、クリアス2搭載で画質が向上し、携帯電話やPSPへのおでかけ転送などを採用した多機能モデルや、簡単操作でVHSからの買い換えも視野に入れたモデルなど新ラインナップも発表している。さらに裏面照射型CMOSをハンディカムやサイバーショットに搭載。コンパクトデジカメでは弱点とされていた暗いシーンでの撮影に強いモデルとなっている。これらの製品で、年末商戦には、絶対の自信を持って望みたい」と説明。もう一方の軸である製品と製品を繋ぐネットワークという部分に関しては「薄型テレビの世帯普及率は6割を越えているが、家庭にはまだアナログテレビも残っている。この年末には、2台目需要、パーソナル向け需要を意識したセット提案を強化していきたい。その中で、複数のブラビアがある場合、DLNAによるネットワーク化を推進。AV機器だけでなくVAIO、携帯電話やPSPなどとも繋がることで、さまざまな楽しみ方が拡がっていくだろう」と話していた。

また、「ネットワークに繋がることはネットワークの世界への入場券に過ぎない。繋がることで何ができるのか」ということが大きな意味を持つとして、携帯電話とブラビアによる、「ポストカードサービス」(携帯電話側からブラビアに写真入りのをメール送ると、ブラビア側に、レイアウトされた状態で表示される)や、スポット情報と口コミ情報から自分専用のおでかけマップを作成できる「ペタマップ」など、ネットワークを利用したアプリケーションを紹介した。なお、ポストカードサービスについては、現状では写真のみとなっているが、この年末には、スライドショー形式での動画に対応することも表明した。

サーバー機能を搭載する同社のレコーダーでは、1台のレコーダーに録画された番組を、レコーダーが接続されているブラビアと、別の部屋にあるブラビアから同時に視聴することが可能だ(もちろん、別の録画済み番組も視聴可能)。複数のネットワーク接続の敷居の高さを、どれだけ抑えることができるかが、DLNA普及の鍵だろう

「更なるブランド力の強化と、日本力の強化。SONYの復活を確実なものにし、世界に誇れる日本の家電産業のいち早い復活に向けて貢献できるように取り組んでいく」とプレゼンテーションを締めくくった栗田社長。暦は9月の始めだが、年末商戦に向けた準備は既に最終段階に来ているようだ。

BDレコーダーの新ラインナップ

携帯電話からブラビアに写真を送る「ポストカードサービス」