CommunicAsia 2009では地図データプロバイダ大手のNAVTEQが、位置情報サービス関連のコンテスト「NAVTEQ Global LBS Challenge」を開催。日本のナビタイムジャパンが大賞を受賞した。

NAVTEQ Global LBS Challenge大賞発表会が行われたNAVTEQブース

2009年のアジア太平洋地域大賞は日本のナビタイムジャパンが受賞

海外でもサービス展開するナビタイムジャパンが大賞

NAVTEQ Global LBS Challengeは、電子地図や位置情報データなど、ロケーションベースサービス(LBS)関連データの最大手、NAVTEQが開催するイベントで、今回で6回目を迎える。NAVTEQの有する世界規模のデジタル地図や位置情報システムなどを応用したモバイル向けアプリケーションの開発を競うもので、年に3回、アメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋の3地域で開催される。2009年のアジア太平洋地域大賞は日本のナビゲーション大手「ナビタイムジャパン」が受賞し、CommunicAsia 2009会場内で発表会が行われた。

ナビタイムジャパンは、日本で各携帯電話事業者やPC向けなどにサービスを提供しており、多様な移動手段の検索情報を提供している。海外でも23カ国でサービスを開始しており、今年4月からはCommunicAsiaが開催されたシンガポールにもエリアを拡大している。

海外のナビゲーションサービスは車向けのものがほとんどであり、歩行者向けのものはまだ少ない。また乗り換え方法や料金、時間など細かい条件で検索できるサービスもほとんど無いのが実情だ。ナビタイムジャパンの海外版トータルナビゲーション「NAVITIME」は、NAVTEQの提供する豊富なデータに日本企業ならではのきめ細かいサービスを融合させることで、海外にはこれまでになかった「総合的なナビゲーション」を提供している。

ナビタイムジャパンのデモブース

展示会場までのルートを検索。車や徒歩などアイコン表示もわかりやすい

NAVTEQブース内のナビタイムジャパンのデモコーナーでは実際にシンガポール・マレーシア版のNAVITIMEのデモを展示していた。日本の携帯電話でおなじみのUIで、繁華街から展示会場へのルート選びやシンガポールからマレーシアまで飛行機を利用した場合の時間検索など、海外の携帯電話でも細かい情報を検索することができる。なお海外では消費者が求める情報が日本ほど細かくないこともあり、提供される情報内容は日本向けサービスとは若干異なっている。それでもその付加情報の多さに大きな関心を寄せる来訪者の数は多かった。ナビタイムジャパンの今回の大賞受賞は、日本人が求めるような細かいサービスであっても、それを海外向けにアレンジすることで海外でも十分通用するものになるという一例でもあるだろう。

徒歩時の消費カロリー計算などは日本のサービスならでは

徒歩移動時にも方向がわかるため、海外を渡航する日本人にも活用できそうだ

海外では通信事業者がコンテンツ課金システムを整備していないこともあり、オンライン支払いサービスを使った直接課金を採用