中国の家電大手Haier(ハイアール)はCommunicAsia 2009で、従来の"中国メーカー品"とは一線を画したスマートフォンやHSDPA対応端末などを展示。電子コンパスを搭載したイスラム教徒用のCDMA端末などユニークな製品も並んだ。
中国メーカーもAndroid OSでハイエンド市場へ参入
中国のHaierは冷蔵庫やTVも手がける中国の家電大手メーカーだ。携帯電話は中国市場でシェア上位に食い込んでいた時期もあったが、ここ数年は中国メーカーそのものの売り上げが急落しており、海外の展示会でその存在を見かける機会も少なくなっていた。また中国メーカーといえば低価格が武器であったが、今では超低価格端末を製造する中小メーカーが多数乱立しており大手メーカーは価格で優位に立つことは困難になっている。そのためHaierも3G端末の投入など、ハイエンド製品の開発に注力しているようである。
今回展示されていた「H7」はOSにAndroidを採用。同社がスマートフォンに本格参入する製品だ。展示はモックアップのみで動作せず、スペックも2.8インチディスプレイ、2メガピクセルカメラ搭載端末で、「Wi-Fi、Bluetooth、micorSDカードスロットが利用可能。通信面ではGPRS/GSMをサポート」といった程度しか判明していない。発売時期についても現時点では未定だが、なるべく早い時期に中国やアジアなどで発売したいとのことだ。
HSDPA対応ネットブック「X107」
台湾メーカーが火をつけた低価格ノートPC「ネットブック」、今では大手メーカーも参入する激戦区になっているが、今年あたりからは中国メーカーも続々参入することが予想されている。ネットブックは最初から低価格競争が始まっているため、後から参入する中国メーカーとしては価格だけで勝負することは難しい。
Haierのネットブック「X107」は携帯電話のSIMカードスロットをあらかじめ搭載しており、HSDPAまたはCDMA EV-DO対応のモデムを搭載可能。こちらも展示されていた製品はモックアップで動作はしないものだったが、すでに製品は完成しておりインドネシアなどへの出荷が決まっているとのこと。また中国国内でもCDMAモデルが発売される予定だという。
電話もできるHSDPA USBモデムや「メッカ携帯」なども
このほか、HSDPA通信に対応したUSBスティック型のデータ通信端末だが、音声端末としても利用できる端末やイスラム教徒向けの機能を搭載した端末など、面白い製品も展示されていた。HSDPA/3G対応端末であれば日本でも利用可能なので、将来日本のMVNO事業者が低料金、端末無料提供用としてHaierの製品を採用することもありうるかもしれない。
HSDPA対応のUSBモデムながら音声通話端末にもなる「W160」。イーモバイルのH11LCと同類の製品だ |
基本機能に絞ったW-CDMAの低価格モデル「W300」。安価な3G端末はまだ市場に少ないことから中国メーカーでも参入の余地はありそうである |