米Googleは6月9日(現地時間)、『Google Translate Toolkit』を公開した。同社はWebページ等のテキストを自動的に機械翻訳するツール「Google Translate」の提供を行っているが、Translate Toolkitはこうしたツールを活用しつつ、翻訳者がより自然な形で翻訳を行うための補助ツールのような位置付けになる。

WebブラウザからGoogle Translate Toolkitを実行すると、基本となる文書管理画面が出現する。ここで翻訳元となる文書を「アップロード」し、ブラウザ上のエディタで細かい修正を加え、最終的に「ダウンロード」で出力を行う。アップロード/ダウンロードの対象は、テキストデータのような文書ファイルでもいいし、特定のWebページでもいい。ファイルまたはURLを指定すると文書の読み込みを行い、左右に分割された画面上で翻訳前後の文書が表示される。文章はすでに機械翻訳が行われており、両者を比較しながら修正が行える。修正に際しては各種補助ツールが用意されており、例えば辞書であったり、専門用語や熟語など、簡単な辞書だけでは解決が難しい用語の参照も可能になっている。また翻訳に際してはGoogleが提供するTranslation Memoryという機能も利用できる。これは以前に人の手によって翻訳された文書を記録・蓄積しており、もし翻訳時に似たようなフレーズが登場した場合に、こうしたデータベースを活用して翻訳の精度を高める。

Google Translate Toolkitの文書管理画面。ここで作業ファイルのアップロード/ダウンロードを行ったり、作業の進行状況を確認できる

Googleによれば、こうしたツールは例えばWikipediaのような用途で大きな効力を発揮する。Wikipediaの記事は欧米言語、特に英語では非常に多くの記事が揃っているものの、アラビア語をはじめ、世界の多くのマイナー言語では記事そのものの数が少ない。Translate Toolkitを活用することで、Wikipediaの英語記事を読み込み、修正後にそのまま翻訳先の言語のWikipediaのページへとアップロードすることができる。またGoogle版Wikipediaとも呼べるKnolもサポートしており、翻訳記事をそのままKnolへアップロードすることも可能だ。

サンプルとして用いたGoogle Translate Toolkitのプレスリリース

文書を読み込ませると、まずは機械翻訳が行われる。後は左右分割された画面で文書を比較しながら修正作業を行える

翻訳作業を補助するツールとして、辞書や熟語辞典なども用意されている