NECは26日、Windows Vista Businessを搭載した薄型軽量なビジネス向けモバイルノートPC「VersaPro UltraLite タイプVS」を発表。その説明会を開催した。NECのビジネス向けPC直販サイト「得選街」で、7月27日まで99,750円(最廉価構成の場合)のキャンペーン価格で販売する。キャンペーン後の価格は105,000円から。
VersaPro UltraLite タイプVSのポイントは軽さ、薄さ、強さ。軽さでは、筐体に軽量で丈夫なマグネシウム合金を採用するとともに、高密度の小型マザーボードやHDDに比べて衝撃性に強いSSDを使用するなど軽量な部品を採用。最小構成の場合、質量約725gの軽さを実現している。 薄さでは、キーボードと内部の基盤類を重ならないよう配置することで工夫している。さらに、発熱量が低く、処理速度の速いCPUとしてIntel Atom Z540(1.86GHz)を使うとともに、冷却ファン、ヒートシンクを使わずに、厚さ約1mmのカーボングラファイトシートで内部の熱を放熱する構造を採用。最薄部15.8mm、最厚部でも23.9mmとなった。このファンレス構造とSSDの採用により、静音性も高い。
また筐体内部の構造を強化し、スペースキー側の下端の筐体に丸みを付けることで強靱なボディーを実現。天板全体で150kgの面耐圧を持ち、76cm落下試験をクリアしている。
マザーボード部の下には放熱のためのカーボングラファイトシートを用意。マザーボード上の銀色の部分がメモリー、その右上がCPU、右下がチップセット。CPUとシートは樹脂により隙間がないように接地されている |
キーボード下部の筐体部分は、丸みを持たせた構造にしている。平面で作るより強度を上げる構造にすることで、全体的な強度を上げている |
さらに、キーピッチ17mm、キーストローク2.5mmのキーボードを採用し、スティック型ポインターとスクロールボタンを用意するなど、使いやすさも追求。簡単なキーボード操作で、本体やLCDの消費電力を「高性能」「標準」「ECO」の3段階で調整する「ECOモード設定ツール」を搭載し、環境対応も進んだマシンとなっている。
「VersaPro シンクライアント US10Na」
VersaPro UltraLite タイプVSの発売と同時に、同じ筐体を使ったシンクライアント端末「VersaPro シンクライアント US10Na」も製品化。薄さ、強靱さはそのままに、CPUとしてTMS320DM6446 297MHz(ARM)を採用。HDD・SSDレスにすることで質量を約649gまで軽量化した。
「Mate タイプME MY33A/E-7」「VersaPro タイプVA」
説明会会場では、省エネ機能を分かりやすく紹介するために、新型デスクトップ「Mate タイプME MY33A/E-7」と、ECOボタンを搭載した新型ノート「VersaPro タイプVA」の展示コーナーを用意していた。
「Mate タイプME MY33A/E-7」と2年半前のマシンを比較するデモ。消費電力の差は歴然。視覚的に消費電力が比較できるように専用の機器を作成したとのこと。電源のディスプレイリングなどから比較できるようにしている |
Mate タイプME MY33A/E-7のコーナーでは、2006年11月に発売した「Mate タイプME MY30V/E-1」と消費電力を比較。Excelを操作するデモを使い、消費電力が137Wから71Wまで下がっていることを示した。この差は、CPUがIntel Pentium 4からIntel Core 2 Duoに変わったこと、電源の交流直流変換の効率が高くなったこと、パフォーマンスが向上することで同じ作業でも高負荷の時間が短くなったことが主な理由としていた。
VersaPro タイプVAのコーナーでは、キーボード上部に省エネモードへボタンひとつで切り替わる「ECOボタン」を実演。通常はキーボードの操作で切り替える「高性能」「標準」「ECO」の各モードを、キーボード上部に配置されたボタンを押すだけで切り替えられる]ボタンを押すことで、ディスプレイの輝度、CPUの省電力設定などが切り替わり、消費電力が約20%削減できる。