NTTドコモは11日、複数の音声をユーザーが設定した空間配置で再生するサラウンド音声伝送技術を、携帯電話向けに開発したと発表した。

本技術が実用化されれば、携帯電話において音声チャットなど複数人が同時通話する際にも、Face to Faceのリアルコミュニケーションに近い自然な通話環境が実現可能となる。また、ビジネスシーンにおける多地点電話会議やモバイル環境での遠隔教育・オンラインゲームなどにおいても、一つの空間を共有しているかのような一体感のあるコミュニケーションの実現が期待される。

「携帯電話向けサラウンド音声伝送技術」イメージ(ネットワーク構成について)

本技術を具体的に説明すると、まずネットワーク上のサーバで複数の音声のうち聴覚的に重要な成分のみを判別・符号化し、端末で音声復号とサラウンド化の処理を同時に行う。それにより、情報伝送量および計算処理量の両方が削減される。これを携帯電話に搭載する専用ソフトウェアで、ユーザーが設定した空間配置でヘッドホンを用いて再生することが可能となる仕組み。

12日からパシフィコ横浜で開催される「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2009」では、本技術を適用した「docomo PRO series HT-01A」による音声チャットシステムを紹介予定。