Microsoftは今年初めに一般公開されたベータ版に続き、Windows 7 RC(リリース候補)版を一般公開しました。前回と同じくカスタマプレビュープログラム形式を用いた公開ですので、希望するすべてのユーザーが入手可能です。今回はダウンロード期間は6月30日までとなり、ダウンロード回数やプロダクトキーなどの制限はありません。本稿では導入手順や設定をはじめとする使いこなし手順を紹介致します。

その前にいくつかの注意点を。まずカスタマプレビュープログラムは、Windows 7の開発を進めるためのフィードバックを提供する意思がある方を前提にしていますので、既存データが破損してしまったなどのトラブルが発生した際は、あくまでも自己責任で対処できる方のみお試しください。Microsoftは技術サポートを提供していません。また、サブPCなど業務に支障をきたすようなコンピュータにWindows 7 RC版を導入することもお薦めできません。あらかじめご了承ください。可能であればインストール前にシステムのバックアップを取ることをお薦めします。

もうひとつの注意点は、現在Windows 7ベータ版をお使いの方向け。Windows 7 RC版を新規インストールしなければなりません。開発者ブログではアップグレードを可能にする手順を紹介していますが、改めて説明するまでもなく、アップグレードインストールとトラブルはペアになっています。Windows 7ベータ版上にデバイスドライバやアプリケーションを導入した状態でアップグレードインストールを行ないますと、不具合が生じる可能性がありますので、ご注意ください。

さて、Windows 7 RC版のシステム要件ですが、囲みにまとめたとおり、Windows Vistaのそれと大差ありません(図01)。Windows Vistaの公式ページに掲載されているWindows Vista Ultimateの推奨システム要件と比較しますと、HDD空き容量が1GB程度増えた程度。ただし、64ビット版に関する数値が明示されている点を踏まえますと、64ビットへの移行期が近づいてきたことを感じさせます。

メモリ:1GB以上(32ビット)/2GB(64ビット)
HDD:16GB以上の空き容量(32ビット)/20GB以上(64ビット)
ビデオカード:WDDM 1.0以降をサポートするDirectX 9対応GPU搭載カード
ドライブ:DVD-R/Wドライブ
その他:ブランクDVD-Rメディア、DVD書き込みソフト

また、今回の使用期限は、2010年7月まで。ただし2010年3月からは、コンピュータが2時間おきにシャットダウンする仕組みが盛り込まれ、Microsoftは、その時点で有効なWindows OSの再インストールを推奨しています。同社はWindows 7の正式なリリースを2010年初頭と報じていますが、同ロジックの導入を鑑(かんが)みますと、遅くとも2010年2月までには正式版をリリースするのではないかと推測します。

図01 Windows 7 RC版のシステム要件 CPU:1GHz以上の32/64ビットプロセッサ

図1 Windows 7 RC版。ビルドNoは7100とベータ版からは100ステップ更新されました。ちなみにビルド日時はファイル名から推測するに、4月21日夕方17時となります

Windows 7 RC版をダウンロードする

それではWindows 7 RC版をダウンロードしましょう。ここからは実際の操作画面を交えてご紹介します。まずは「Windows 7」 のWebサイトにアクセスし、上の方にある"RC版の入手"、もしくは右側にある"RC版をダウンロードする"をクリックします(図2a)。

図2a

次のページでダウンロード手順が表示されているサイトに移動するので、掲載されている注意書きなどを読み、ページ下部にあるRC版のバージョンを選択しましょう。32ビット版もしくは64ビット版のドロップダウンリストから「日本語」を選び、すぐ右にある<GO>ボタンをクリックします(図02b)。

図2b 32ビット版もしくは64ビット版のドロップダウンリストから「日本語」を選択。そして<GO>ボタンをクリックします

Windows 7 RCカスタマプレビュープログラムに参加するには、Windows Live IDが必要となり、未ログオンの状態ではサインインをうながされます。登録したメールアドレスとパスワードを入力し、<サインイン>ボタンをクリックしてください(登録していない方は別途サインアップが必要となります)。サインイン後はWindows 7 RC版に関するアンケートをうながされますので、画面の指示にしたがって、入力・選択してから<次へ>ボタンをクリックします(図03~04)。

図03 Windows Live IDおよびパスワードを入力して、サインインしてください。未サインアップの場合は事前に登録しておきましょう。ちなみにサインイン済みの場合、同ページは表示されず図05まで進みます

図4 Windows 7 RC版に関するアンケートをうながされます。「*」が付いている項目は入力が必要となりますので、入力し忘れなどご注意ください

すると、Windows 7 RC版のアクティベーション(ライセンス認証)に必要なプロダクトキーが表示されますので、任意のテキストファイルなどに書き残してください。ダウンロードページへのリンクボタンも表示されますので、<今すぐダウンロード>ボタンをクリックして先に進みましょう(図05)。

図5 プロダクトキーとダウンロードページへのリンクボタンが表示されます。<今すぐダウンロード>ボタンをクリックしてください

ダウンロードページでは、ダウンロードマネージャというActiveXコントロールのインストールをうながされます。情報バーをクリックすると表示されるメニューから<ActiveXコントロールのインストール>を選択し、表示されたダイアログの<インストールする>ボタンをクリックしてください。導入後はファイル保存ダイアログが表示されますので、デスクトップなど任意の場所を選んでから<保存>ボタンをクリックします(図06~07)。

図6a ダウンロードするにはActiveXコントロールが必要となりますので、情報バーをクリックし、メニューから<ActiveXコントロールのインストール>を選択します

図6b 確認をうながすダイアログが表示されたら<インストールする>ボタンをクリックしましょう

図7 ActiveXコントロールの導入後はファイル保存ダイアログが表示されます。デスクトップなど任意の場所を選んで<保存>ボタンをクリックしてください

これでダウンロードマネージャが起動し、ファイルのダウンロードがはじまります。ファイルサイズは32ビット版が約2.51GB、64ビット版は約3.23GBとなりますので、ダウンロードに要する時間は光ファイバーでも40~50分程度。この間は別の作業を行ない、ダウンロード完了までお待ちください(図08)。

図8a ダウンロードマネージャによるファイルのダウンロードがはじまります。

図8b <詳細>ボタンをクリックしますと、ダウンロードタスクの詳細表示として進捗状況や残り時間を確認できます

ダウンロード完了後は、正しくファイルがダウンロードされたかハッシュ情報を確認しましょう。ここでは、HashTabを使用していますが、お好みのツールをお使いください。それぞれのハッシュ値が囲みの数値と同じであれば正常です。後はDVDライティングツールを用いてDVD-Rに焼きましょう。

Windows 7 RC版32ビット

ファイル名:7100.0.090421-1700_x86fre_client_ja-jp_retail_ultimate-grc1culfrer_ja_dvd.iso
ファイルサイズ:2.51GB(2,705,309,696バイト)
CRC32:E7719FA2
MD5:635214F53C8093BD4D11359EA4D9560C
SHA-1:308052B331C79A8E8BF1B12AD932CCF21175871B

Windows 7 RC版64ビット

ファイル名:7100.0.090421-1700_x64fre_client_ja-jp_retail_ultimate-grc1culxfrer_ja_dvd.iso
ファイルサイズ:3.23GB(3,470,780,416バイト)
CRC32:B08A9639
MD5:754A0C40139FC3ECAB21513371B13143
SHA-1:6A134BB0A35BDAAFCB50999D7763D0E5C3C9C2F9

阿久津良和(Cactus)