地デジなどのデジタル放送やBDビデオなどは、縦の解像度が1,080ドットある高精細なハイビジョン映像で放送・収録されていることが多い。そのため、こうした映像の本来の高画質を味わうには、フルHD(1,920×1,080ドット)解像度の液晶パネルが必要である。本製品のディスプレイは、これをクリアしているだけでなく、色再現性やコントラストも高レベルで、非常にくっきりとしたあざやかな映像でテレビ番組や映画を楽しむことができる。

また、液晶の視野角も比較的広く、斜めから見ても色の変化が少ないのも特長。視野角が極端に狭い液晶だと、姿勢を変えただけで映像の色合いが大きく変わってしまうこともあるが、本製品の場合はそれがない。そのため、カウチ族でも安心してテレビ視聴を堪能できるはずだ。さらに黒の締まりもよく、映像に奥行きがあるため、暗いシーンが多い映画なども安心して鑑賞できる。

液晶を斜めから見たところ。視野角が広いだけでなく、色の変化が少ないのも特長。液晶のサイドについているスピーカーは、パソコン内蔵のものとしてはかなり高音質

内蔵の高画質化エンジン「Dixel エンジン」には、「あざやかウィンドウ」機能が搭載されており、人肌や風景などをくっきりあざやかに表示できる

スピーカーは液晶のサイドに耳のように取り付けられている。見た目は小型ながら、出力は2Wと大きく、一般的なパソコンに内蔵されているものとは明らかに音の質が違う。高域から低域までバランスよく再現できており、サウンドにも厚みが感じられる。ボリュームを小さめにしても立体感があまり損なわれず、夜間でも周りを気にせず楽しめるのがうれしい。もちろん、外付けスピーカーにはもっといい音のものもあるが、パソコン内蔵でこれだけきちんと音が出ていれば、一般ユーザーにとっては十分だ。

フルHDでも長時間録画が可能

デジタル放送のフルHD映像は、従来のアナログ放送に比べて高精細な分、データ量がかなり大きい。そのため、容量に余裕のあるハードディスクでも、油断しているとすぐに録画データでいっぱいになってしまう。そこで本製品はデータ圧縮効率のよいAVC録画(AVCREC)に対応してディスクの消費量を抑える工夫をしている。

実際にテレビ番組をAVCRECで録画するには、設定画面の「画質モード」で「最高画質」以外を選ぶ必要がある。「高画質」モードだとビットレートは約9Mbpsで、4.7GBのDVD-R1枚に約1時間録画できるデータ量になる。「長時間」モードの場合は約4.5MbpsでDVD-Rに約2時間、「超長時間」モードだと約2.4MbpsでDVD-Rに約4時間保存できる。ただし、「超長時間」モードのみSD画質になるため、HD画質で残したいなら「長時間」モード以上に設定する必要がある。

AVC録画の設定画面。「最高画質」はデジタル放送のデータをそのまま保存するだけだが、「高画質」、「長時間」、「超長時間」を選ぶと、圧縮効率の高いAVC形式(H.264形式)に変換しつつ録画してくれる

録画番組の一覧画面。AVC録画すると、選んだモードによって各番組情報の右下部分に「AVC-H(高画質)」、「AVC-M(長時間)」、「AVC-L(超長時間)」と表示される

なお、本製品は地デジとBS・110度CSの3波デジタルTVチューナーが2基搭載されており2番組同時録画にも対応しているが、それが可能なのは「最高画質」モードの場合のみ。裏番組を録画中にAVC録画しようと思ってもできないので注意が必要。また、SD画質で放送されている場合など、一部のテレビ番組は、AVC録画に対応していないため、自動的に「最高画質」での録画になることがある。もっとも、こうした制限は、ふつうに本製品でデジタル放送を楽しむ場合は、それほど意識する機会は多くないだろう。

裏番組を録画中にAVC録画しようとすると、このような表示が出て自動的に「最高画質」での録画になる

AVC録画に対応していない番組の場合は、このような表示が出て自動的に「最高画質」での録画になる