買っても誰も動かせないし

注目のSocket AM3マザーボードが早くも発売となっている。製品は、GIGABYTEの「GA-MA790FXT-UD5P」と「GA-MA790XT-UD4P」。このマザーボード、別の意味で注目なのは、まだ使えるCPUがない、ということだ。

GIGABYTEのSocket AM3マザーボード

これは「GA-MA790FXT-UD5P」の方

ちょっと紛らわしいのだが、AMDプラットフォームの用語として、「Socket AM3」「Socket AM2+」には、それぞれCPUとマザーボードがある。Socket AM3のCPUは、Socket AM3/AM2+のマザーボードで使用できるが、Socket AM2+のCPUはDDR3のメモリコントローラがないため、Socket AM3のマザーボードでは使うことができない。今のところ、Socket AM3のCPUはAMD Phenom IIだけなのだが、これがまだ発売されていないので、Socket AM3マザーボードで動かすCPUは現時点ではない。

というわけで、当たり前ながら「売れていない」(某ショップ)とのこと。どうもAMDは昔からこういうところがヘタである。すでに発売されているSocket AM2+版のPhenom IIについては、「Phenomのときよりも売れている」(某ショップ)という声があり、製品自体に対する評価は決して低くはない。ちゃんと製品を出せば売れるのに……というのが、ショップ側の辛口評価の裏にある期待だろう。

Socket AM3版Phenom IIの発売が待たれるが、どうやら最初に入荷するのはPhenom II X3 720 Black Editionになりそうだ。今のところ、発売は20日(金)を予定。トリプルコアから、というのがまた微妙なところだが、クワッドコアのX4については、「まだ情報がない」(某ショップ)とのことだ。

ところで、前述のソケットの互換性について、Socket AM2+のCPUがSocket AM3のマザーボードで動かない、ということは分かるのだが、物理的には刺さるのだろうか。まずは、下の写真を良く見比べて欲しい。ピン穴がない4カ所のうち、右上と左下の位置が違うのが分かるだろうか。このため、CPUのピンがジャマになって、ソケットにはうまく刺さらない、が正解。

Socket AM3のソケット

Socket AM2+のソケット

ではなんでSocket AM3のCPUはSocket AM2+のマザーボードに刺さるのか、ということだが、こちらの記事この写真を見れば答えは明らか(Socket AM3は左)。ピン数が少ないのだ。