富士通のFMV-BIBLO NWといえば、水冷システムを搭載したハイエンドノートだ。そんな最新システムを搭載したマシンの中身というのはいったいどうなっているのか、というのは誰しもが抱く疑問であろう。その疑問に答えるため、富士通がNWの"解体ショー"を行ってくれた。その模様をレポートする。

クリスマスの飾り付けが美しい富士通の川崎工場にて、解体ショーは行われた

これが今回解体されるFMV-BIBLO NW

FMV-BIBLO NWとは、キーボード上部に「タッチスクエア」というタッチパネル式のサブディスプレイを備えたFMVシリーズのハイエンドモデル。地上デジタル・BS・110度CSという3波対応のTVチューナーを国内ノートPCとして初搭載したことや、Blu-rayディスクドライブを内蔵していることも特徴だ。そしてさらに、水冷システムによって高い静粛性を誇っていることも大きなポイントとなっている。

そのNWの解体ショーを富士通が行ってくれるということで、取材にうかがってきた。

ただし、今回の解体は試作機で行ったものであり、製品版とは形状などが違う場合があることに注意していただきたい。

まず取り出したのは、1台のNWとドライバー。これからNWの中身が明らかになる。NWは先ほどまで稼働していたものだ

タッチスクエアパネルやキーボードが取り外され、内部構造が姿を現した

さらにボトムのネジを外してゆき、中身がむき出しとなった。左上にあるファンひとつで水冷システムの放熱を行っている

完全に取り外された水冷システム

水冷システム全体はアルミニウムを素材としており、さらにCPUに当たる部分には銅のプレートが使われている。上の写真の左下が外部に熱を放熱する構造になっており、そこから左上の銅のCPUに密着する部分に冷却液が回ってゆく。右の長いパーツはチップセットを冷却するもの。上の黒い部分がポンプで、これが全体に冷却液を循環させている。冷却液は純水に不凍液を加えたモノを使用。全体が非常にコンパクトに収まっているのがわかる。しかもノートに入れるために薄型になっており、システムの重量は約200g。

各種ネジやパーツを外して、マザーボードを取り出した

システム内にたったひとつだけ搭載されているファン。冷却液の放熱に使われている。これは通常の状態では60%程度の速度で回転する

チューナーユニット。これひとつで地上デジタル・BS・110度CSに対応している

ドライブ類も取り外されて、ほとんど何もなくなってしまったボトムパーツ

キーボード上部に搭載されているタッチスクエア部分

タッチスクエアをさらに分解したところ

タッチスクエアのようなサブ液晶的な機構としては、Windows サイドショーがある。だが、これらは本質的にかなり違うものだ。サイドショーは本体の電源がオフの状態で使うものだが、タッチスクエアは本体を使っているときにサポートするものとして生み出された。

既存モデルにあったショートカットボタンをタッチパネルで代用するといった使い方のほか、デジタルフォトフレームやDVD、テレビの再生にも使うことができる。内部的にはDVI接続されたマルチモニタとして認識されており、HDCPに対応している。

解像度は480×272ドット。DVDやテレビを再生する場合は960×544ドットをダウンスケーリングして表示している。

こうした水冷システム、タッチスクエアといった意欲的な機能に加え、Blu-rayディスクドライブなどを搭載しつつ、250,000円前後というのは非常に安価だ。この春モデルでは注目の一台となるであろう。