8月の「Nico-TECH: Takatsuki Meeting ニコニコ技術部関西勉強会」に続き、10月に第2回目となる「ニコニコ技術部勉強会」が名古屋にて開かれた。本稿では、趣味でモノづくりをしている人達による、ノンジャンルの技術者交流会でもあるこの勉強会の様子をお伝えする。

大阪に引き続き名古屋での開催

「ニコニコ技術部東海勉強会」の模様

前回、8月30日に大阪は高槻で開かれた第1回となる「ニコニコ技術部関西勉強会」の模様をリポートした。その関西勉強会に参加していたakimi氏が「是非地元名古屋でも勉強会を開きたい」と、場所を確保し運営を申し出てくれたのが今回の「ニコニコ技術部東海勉強会」となる。今回は約50名ほどが参加。「ニコニコ動画」を見ているという共通項以外は皆バラバラな職業や専門の人達が集まって趣味の技術工作について楽しく語り合った。

ジャンルに捕らわれない多彩な発表

ニコニコ技術部は、ニコニコ動画上での動画によるコミュニケーションも活発だが、それと同じ様な構造を勉強会でも目にすることができる。

前回の関西高槻ミーティングでは、Rubyコミュニティで活躍するサイロス誠氏がRuby言語を用いたライブコーディングセッションを披露してくれた。ライブコーディングといえばLight Weight Language界ではお馴染みのイベントではないだろうか。

ニコニコ技術部東海勉強会でそれに刺激を受けたメンバーが「ライブソルダリング(ハンダ付け)によるサーボ駆動工作」と「ライブによるFPGAのロジックコーディング」という、新しいジャンルのライブをそれぞれ15分の枠内で披露してくれた。FPGAはさすがにHDLを書く時間まではないので、Quartus IIのSoC Builder によるモジュール選択とバス構築をしてコンパイルといったところまでだが、PLD設計を実際に眺めることができ興味を持って見ている人も多かった。

「ライブソルダリング(ハンダ付け)によるサーボ駆動工作」

他にも、デジタルロジックの初歩を解説したり、自作物の失敗例を紹介したりと各人の持ち味を生かした発表はどれも面白く、興味深いものであった。特に、失敗例を語り合うというあたりはアマチュアならではといったところではないだろうか。

工作のノウハウを発表で共有

一部のプレゼン資料は「ニコニコ技術部まとめwiki」の「プレゼン資料置き場」からたどれるので、興味がある方はぜひ見てほしい。

黒板を使った発表もあった

もちろん展示も華やか

この第2回は、関西勉強会での反省を生かし、展示のスペースと閲覧・歓談時間を長めにとるように企画されていた。この歓談時間が実に有効で、みんな展示物を肴にいろいろな技術話に華を咲かせていた次第。このような異業種間での技術者交流というのはなかなか機会に恵まれないものなので、とても楽しい時間を過ごせた。

いろんな曲がアラームで鳴るデジタルクロック

ミント菓子箱工作の日本版

ボールペン軸の中に収まっている、小型ネギ振り機構。写真はボールペンの一部を拡大し撮影したもの

VFDによる音声メーター

LEDマトリクスを使ったジャンケンゲーム

自作のスロットマシン機構

ゆっくりしていってね!(自走式)

動画と同じ手つきで作業しているTapさん

ちょっと変わったところでは「御社か」で有名なデザイン会社タップの社長さんも初音ミクグッズを手に参加していて、実際に作業している所をライブで見せてくれたりした。

前回の関西高槻ミーティングもそうだったのだが、第2回の展示物もハードウェア寄りな傾向があった。

ハードウェアや機械工作系は実際に動いている所を見せる機会がないため、このようなイベントでもないと展示できないといった都合もある。そのため、どうしてもハードウェア寄りになってしまいがちであるが、一般的にはソフトウェアもかなりのウケをとれる。事実、ニコニコ技術部を楽しんでいるソフトウェア屋さんももっと参加してほしいとの声が上がっている。

今度はあなたの住む街で?

このニコニコ技術部勉強会は有志による自主的勉強会なので、思い立った人が引き受けて開催するといった形態を取っている。次回開催については現在予定は立っていないが、我こそはと思う人は名乗りを挙げて企画してほしい。

なおこの8日に、多摩美術大学 八王子キャンパスにて、オライリー・ジャパン主催による「Make: Tokyo Meeting 02」の開催が予定されている。ニコニコ技術部も参加予定のため、実質的に関東地方でのニコニコ技術部イベントとなる。ニコニコ動画で、ニコニコ技術部の動画を楽しんでいる人は、ぜひこの機会に制作物を実際にその目で見て楽しんでほしい。