独ケルン・メッセで開催された「photokina 2008」(フォトキナ)では、レンズメーカーのタムロンとトキナーがそれぞれ新製品の超広角ズームレンズを出展。トキナーはさらに高倍率ズームレンズを参考出品していた。

タムロンが展示していた新製品は「SP AF10-24mm F/3.5-4.5 DiII LD Aspherical [IF] (Model B001)」。国内ではphotokina会期中の27日に発売予定だったが生産が遅れたために発売が10月23日に延期されている。

SP AF10-24mm F/3.5-4.5 DiII LD Aspherical [IF] (Model B001)。35mm判換算で16mmからの超広角ズームレンズとしてはコンパクト

同レンズは、APS-Cサイズの撮像素子を搭載したデジタル一眼レフカメラ向けのレンズ。35mm判換算で16mmからという超広角レンズで、望遠端も37mmまでをカバーできるというのが大きな特徴。カバーできる焦点域が広いので扱いやすい。大口径ガラスモールド非球面レンズ×1や複合非球面レンズ×3、LD(異常低分散)レンズ×2を用いたことで軸上・倍率色収差を補正。周辺光量低下の抑制、高解像性能の実現、ゴースト・フレア対策といった光学設計により、SPレンズシリーズにふさわしい高い描写性能を実現した、という。

ゴールドのリング、シボ塗装、ラバーのフォーカス・ズームリングと、見栄えと使いやすさにも配慮

AFとMFの切り替えは本体下部のスイッチから

高スペックでありながらコンパクトなサイズに仕上げており、全長は86.5mm、質量は406g、フィルター径は77mmとなっている。最短撮影距離もズーム全域で24cmを実現。望遠端での最大倍率は1:5.1。

発売は延期となったが期待度の高いレンズであり、ブースでの注目度も高かった。10月23日から、まずはAFモーターを内蔵したニコン用がリリースされる。国内での価格は71,400円。

ケンコーグループのトキナーは、「AT-X 124 PRO DX II」を出展。このレンズもAPS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラ向けのレンズで、11月7日からニコン用が、12月5日からキヤノン用が発売される。価格は94,500円。ニコン用にはレンズ内モーターを備えている。

AT-X 124 PRO DX II。今回、初めて赤いラインが採用されている

35mm判換算の焦点距離が18-36mm(ニコン用)となる12〜24mmの焦点距離を備えるレンズで、開放F値はズーム全域でF4。

光学系はAT-X 124 PRO DXを継承するが、マルチコーティングを改善し、逆光時の撮影においてよりクリアな描写を実現したという。広角側を12mmからとしたのは、光学設計で無理をしないためということで、高い描写性能を実現しているそうだ。

ワンタッチフォーカスクラッチ機構を採用し、ピントリングを手前にスライドさせるだけでAFとMFの切り替えが可能となっている。

参考出品となったのが「AT-X 16.5-135mm F3.5-5.6 DX」。広角から望遠までをカバーした高倍率ズームレンズで、詳細については特に明らかにされなかったが、現時点でまだプロトタイプの段階だということで、発売は来年になるそうだ。

レンズ自体は動作し、撮影もできるが、ブースの説明員は「これ1本だけ」と言っていた

国内ではケンコーが販売する「レンズベビー」の新製品、「LensBaby Composer」も登場していた。従来の蛇腹で稼働する仕組みから、可動部がボール型になり、よりスムーズに動作するようになり、稼働させるとそのまま位置が固定するようになった。前部のリングを回すことでフォーカスを合わせることもできる。

レンズベビーの新製品「Composer」

ボール型になっていて、操作性が大きく向上。光学系の交換にも対応した

さらに光学系を交換することもできるため、LensBaby 1台で複数の描写が得られるようになった。プラスチック、シングルグラス、ピンホールの3種類が用意されている。国内では11月に発売予定。