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SRWare |
ドイツの企業であるSRWareがGoogle ChromeのベースとなっているオープンソースソフトウェアChromiumやChromeよりも若干新しいWebKitを採用した新しいWebブラウザIronを発表した。Chromiumをベースにして新しいブラウザを開発したというよりも、Chromiumで実現されているいくつかの機能を無効したカスタマイズ版を作成したというものだ。Googleの情報収集を快く考えていないユーザには興味深い動きだ。
Google Chromeはユーザ情報のいくつかを収集している。Ironはこの機能が無効にされている。説明にしたがえば次のように各種機能がIronでは無効化されていることになる。
- Chromeではクライアントを識別するための固有IDが作成されるがIronでは作成されない
- Chromeがインストールされていたかどうかを認識するタイムスタンプ機能を無効化
- サジェスト機能を無効化
- クラッシュ時に情報をGoogleに報告する機能を無効化
- トラッキング機能を無効化
- アップデート機能を無効化
- URLトラッカー機能を無効化
GoogleはChromeのベースとなっているソースコードをChromiumとして公開している。IronはChromiumをベースにしたカスタマイズ版といえる。開発にはユーザからのフィードバックが欠かせない。しかし情報収集は企業でアプリケーション採用を検討する場合には懸念点としてチェックされるところでもある。Ironのようにこうした機能を無効にしたバージョンが用意されることは企業における採用にも選択肢を増やすほか、Googleに対する意思表示としても興味深いものだ。
情報がドイツ語で提供されているが、公開されて1週間後に英語版のページも提供されるようになった。ページの右上にあるアイコンで英語を選択すれば表示がドイツ語から英語へ切り替わる仕組みになっている。
Google Chromeは今のところWindows向けのバージョンが公開されている。ベースが同じであるためIronも同じくWindows版が提供されている。ChromeはもともとWindowsで開発されていたため、他のOSへの移植にはまだ時間がかかりそうだ。