Atom 230については、以前掲載したレビュー(VIAの新世代プロセッサ「Nano(Isaiah)」を試す)でベンチマークテストを行っているので、今回はAtom 330のみで全く同じテストを行い、その結果を比べることにしたい。今回はAtom同士の比較に主眼を置くが、参考までに、グラフにはVIAのC7/Nanoの結果もそのまま載せることにする。

システム構成は以下の通り。

比較環境
マザーボード EPIA SN EPIA SN D945GCLF D945GCLF2
CPU Nano L2100 C7 Atom 230 Atom 330
動作クロック 1.8GHz 1.8GHz 1.6GHz
FSB 800MHz 800MHz 533MHz
チップセット CN896+VT8251 CN896+VT8251 945GC+ICH7
グラフィックコア Chrome9 HC Chrome9 HC GMA 950
メモリ DDR2-800 1GB
HDD Western Digital Caviar SE16 500GB SATA
OS Windows Vista Ultimate

それでは、ベンチマーク結果を順に見ていきたい。

SiSoftware Sandra XII

最初はいつも通りSandraから。CPUテストでは、理想通りAtom 230の2倍のスコアが出ている。前回のテストではVIAのNanoに及ばなかったが、今回はダントツの結果である。

SandraのCPUテスト

Futuremark PCMark Vantage

実アプリでの性能の参考になるのがPCMark Vantageだ。HDD以外の項目では2割以上の性能向上を果たしており、特にCommunicationsとProductivityで4割前後の伸びを示しているのは目を引く。

PCMark Vantageの結果

Futuremark 3DMark06

3DMark06で3Dグラフィックの性能を見てみる。チップセットが全く同じなので、純粋にCPUによる差が出てくるはずだ。結果は、SM2.0についてはほとんど変わらなかったが、CPUのスコアは7割近く向上している。

3DMark06の結果

アップル iTunes 7

こちらも前回と同じく、エンコード処理(AIFF→AAC/128kbps)に要する時間を計測した。このテストでは、前回もAtomの結果が振るわなかったが、デュアルコアになってもほとんど変わらなかった。タスクマネージャでCPU使用率を見てみると、どうもマルチスレッドになっていないようなので、今回の比較には適したテストではなかったようだ。

5曲分(1,315秒)のエンコード時間

エンコード時のCPU使用率のグラフ

最近はデュアルコア以上が当たり前の環境になりつつあるので、ソフトウェアのマルチスレッド対応もかなり進んでいるとは思うが、非対応のときはAtom 330になってもほとんど性能が変わらないこともあり得る。とはいえ、Atomマシンでエンコードする機会もそれほど多くないと思われるので、実際はあまり気にすることもないだろう。

消費電力

上記のように、演算性能については満足する結果が得られているが、消費電力はどうだろうか。以下がそのグラフだが、アイドル時・ベンチマーク実行時ともに、消費電力の増加はせいぜい4~5W程度に抑えられており、十分満足できる内容だ。TDPが4W大きくなっているだけなので、当たり前と言えば当たり前の結果なのだが、それが改めて確認できた。

各システムの消費電力(最大値、ワットチェッカーでシステム計測)

参考までに、Sandra実行時のワット当たりの性能のグラフも添付する。あまり意味のあるグラフではないが、Atom 330がダントツの数値を見せている。

Sandra実行時のワット性能の比較