通信を開始するには、セットアップディスクを利用してインストールした接続ソフト「bアクセス」を利用する。デスクトップとスタートメニューにbアクセスのアイコンが出来ているので、ダブルクリックして起動しよう。このソフトは起動時に"3G Access"ボタンと"Setting"ボタンしかないシンプルなものだ。前者をクリックすると、接続を開始する。後者をクリックすると、各種設定タブが展開する。ここで、残り接続可能時間や電波状況を確認できるほか、テキストデータの圧縮と画像データの最適化によって体感通信速度を向上させる「Webアクセラレーター」の有効・無効の切り替えも出来る。
なお筆者は、このソフトを使わずにb-mobile3Gでダイヤルアップ接続できることを確認した。しかし、日本通信では、この行為をユーザー側で残り接続時間を把握できなくなるなどの理由でサポート対象外としているので注意が必要だ。
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シンプルな「bアクセス」(接続ソフト)画面 |
bアクセスの"3G Access"ボタンを押して接続すると、FOMAハイスピード(HSDPA)エリアでは受信最大3.6Mbps・送信最大384kbpsの速度で通信できる。HSDPAエリア外では、送受信最大384kbpsとなる。なお、800MHz帯のW-CDMAにも対応しており、山間部を中心に普及している「FOMAプラスエリア」でも利用可能だ。
FOMAハイスピードで快適な通信環境を実現
FOMAハイスピードエリアでは、公衆無線LANとほとんど遜色のない体感速度で通信を行える。出先でメールチェック、Webページの巡回、動画共有サイト(YouTube・ニコニコ動画)の閲覧などをしてみたが、予想よりも快適だった。参考までに、埼玉県の京浜東北線の川口~西川口の移動中にgooスピードテストを使用した際の結果を掲載しておく。なお、携帯電話網を利用するという性質上、回線・電波状況などによって速度が変わる点は注意したい。
今回のレビューでは、FOMAハイスピードエリア外でも利用する機会があった。エリア外では、メールチェックや軽いWebページの巡回は問題なく使えたが、さすがに通信速度をある程度要求される動画共有サイトの利用は厳しいものがあった。
快適に使う上で、速度と同様に気になる人が多いと思われるのが、通信に関する制限だろう。b-mobile3Gは、プロトコル・通信ポートに関する制限を行っていない。そのため、FTP、VPN、Telnet、動画ストリーミングやネットワークゲームなど、TCP・UDPをプロトコルとして利用しているサービスであれば、利用は出来るはずである。ただし、パケット通信の性質上、安定して通信を続けるサービスには不向きである点も忘れずにおきたい。なお、特定のポート・プロトコルを利用するウィルスやワームが流行した際は、該当ポート・プロトコルでの通信を制限することもある。
この製品は、端末と通信料金がパッケージとなって販売されており、煩雑な「契約」という行為をせずに利用できる点と、NTTドコモのFOMAエリア内であれば、プラスエリアも含めて利用できる点が非常に魅力的である。冒頭に書いたとおりb-mobile3Gを一度購入すれば、150時間(有効期限470日)を自由に使用できる。出先で軽く電子メールをチェックしたり、Webを巡回したいけれど、それだけのために安くないデータ通信料金を毎月払うのがちょっと、という方にお勧めである。
(井上翔/K-MAX)