日本エフ・セキュアは9日、インターネット・セキュリティ・ソフトの最新版「F-Secure Internet Security 2009」とウイルス対策ソフト新製品「F-Secure Anti-Virus 2009」の提供を開始した。

F-Secure Internet Security 2009は、ウィルス対策、スパイウェア対策、ファイアウォール、侵入防止、ペアレンタル・コントロール(保護者管理機能)、スパムメール対策、フィッシング対策を提供する統合セキュリティ・ソリューション。一方、F-Secure Anti-Virus 2009は、ウィルス対策、スパイウェア対策機能を提供する製品で、今回からラインアップに加わったもの。

F-Secure Internet Security 2009の管理画面。監視状況などはWindows Vistaのガジェトとして表示される

最も大きな特徴は、ゼロデイアタックによる不正プログラムを検出する「DeepGuard 2.0」を搭載していること。DeepGuardは、パターンファイルに登録されていない未知のマルウェアなどをヒューリスティック技術やふるまい検知技術などを使って検出する同社の技術。最新版の2.0では、単にクライアント・コンピュータ内部でマルウェアを検出するだけにとどまらず、検出された情報を同社がワールドワイドで展開するセキュリティ情報サーバと照合し、チェックする仕組みを備える。

日本エフ・セキュア 代表取締役 桜田仁隆氏

「パターンファイルにないマルウェアを検出した場合、その情報は最短で60秒で世界中のセキュリティ情報サーバで共有される。サーバは国内にも設置されており、数百ミリ秒での問い合わせが可能だ。これにより、飛躍的に対応速度と精度が向上した」(日本エフ・セキュア 代表取締役 桜田仁隆氏)

また、インストール時間、起動時間、システム全体のスキャン時間、スパイウェア駆除時間などを大幅に高速化。ウイルス対策ソフトの評価機関AV-Test.orgの試験では、インストール時間は他社平均の半分程度に短縮されたほか、旧版の「F-Secure Internet Security 2008」との比較でも、システム全体の完全チェックにかかる時間が1時間53分から1時間に短縮されたという。

パフォーマンスを向上させ、インストール時間、起動時間、システム全体のスキャン時間、スパイウェア駆除時間などを短縮した

新機能としては、有害サイトへのアクセスを保護者が管理できるようにするためのペアレンタル・コントロール機能の搭載が挙げられる。特徴は、時間帯を指定してインターネットへのアクセスを管理できることで、「チャイルド」と「ティーネイジャ」という2つのプロフィールに対して、平日、週末ごとに30分単位で閲覧の拒否/許可を設定できるようになっている。

ペアレンタル・コントロール(保護者管理機能)では、時間帯を指定してインターネットへのアクセスを制限できる

サイトへのアクセスについては、URLを指定した許可/拒否のほか、カテゴリとしてまとめて管理することが可能

また、アクセスするサイトについては、URLを指定した許可/拒否のほか、カテゴリとしてまとめて管理することが可能。カテゴリとしては、武器/憎悪表現/暴力/ドラッグ/ギャンブル/アドルト/出会い/Webメール/チャット/旅行/スポーツの11項目が設定されており、保護者は、チェックボックスをチェックするだけで済むようになっている。カテゴリ情報は、エフ・セキュア側のサーバで管理され、パターンファイルなどのアップデート時に自動で更新される仕組みという。

価格は、F-Secure Internet Security 2009のパッケージ版が4980円(1ユーザー、1年)から、ダウンロード版が4200円(同)から。F-Secure Anti-Virus 2009のパッケージ版は3980円(同)から、ダウンロード版は3390円(同)から。

販売にあたっては、「オンラインショップと家電量販店での販売に重点を置く」とし、オンラインショップとしては、ソフトダイレクト、ベクター、楽天をはじめ10サイト以上での提供を予定する。また、家電量販店としては、従来のヨドバシカメラに加え、4量販店での店頭販売へと拡大する方針という。販売目標は、12カ月で8万ライセンスを掲げる。

なお、今回の製品では、「ワクチンforワクチン」と称し、社会貢献活動の一環として、売上げの一部をNPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」に寄付する活動も行うという。

売上げの一部は、NPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会」に寄付される