ソニーは3日、ブルーレイディスクレコーダーの新製品、3スタイル6機種を発表した。新モデルのラインアップは、昨年モデルと同様、ハイビジョン番組の録画/再生向けの「番組を楽しむ T」、ハイビジョンハンディカムやサイバーショットとの連携機能を搭載した「思い出を残す L」、ハイグレードなシアター環境を構築したい人のための高画質/高音質モデル「シアターを堪能する X」。価格すべてオープン。

ブルーレイディスクレコーダー、3スタイル6機種が発表された

8bitカラーの映像を、14bitカラー相当の高階調映像で再現する高画質回路「CREAS(クリアス)」

多様化するニーズに対応した、ブルーレイディスクレコーダーのラインアップ

新ラインナップの最大の特徴となっているのが、高画質回路「CREAS(クリアス)」の搭載。CREASには「HDリアリティエンハンサー」「Super Bit Mapping Video」(以下SBMV)といった技術が使用されている。HDリアリティエンハンサーは、8bitカラー(RGB各色256階調)の映像を14bitカラー(各色16,384階調)にまで拡張するというもの。bit拡張の際には、オリジナルの映像から8bitカラーに圧縮された際に生じた、色の破綻やノイズなどをbit単位で検出。ディティールを再構築するとともに、スムージングなどの処理も行われる。

CREASには「HDリアリティエンハンサー」「Super Bit Mapping Video」技術が使用されている

しかし、14bitカラーの映像を生成しても、現時点で、14bitのリアル表示が可能な民生用のFPDは存在しない。14bit以上のバス幅を持つ映像エンジンを搭載したテレビは登場してきているが、パネル自体は10bit表示止まりというのが実情だ。そのため、映像エンジンで14bit化しても(もちろん、パネルの性能にあわせて補正は行われるが)、本来の階調表現は失われてしまうことになる。そこで、CREASに搭載されているのがSBMV。人間の視覚は、認識できる色域のすべての領域で同じように階調を認識できるというわけではない。階調の差を強く認識できる部分もあれば、それほどでもない部分があるということだ。SBMVでは、この人間の視覚特性を利用。オーディオの非可逆圧縮で使用されている手法に近い考え方で、10bitパネルや8bitパネルでも、14bit相当の階調表現が行われているように見えるようにするというものだ。階調表現力の向上で、素材オリジナルの自然な映像が再現できるだけでなく、映像の奥行き感/立体感もアップする。CREASは、デジタルハイビジョンの映像を正しくコントロールできるように画質がチューニングされているとのことだが、DVDなどのSD画質のソースでも、その効果は発揮されるとのことだ。

EPGに含まれるキーワードを分析して、その時に旬な番組をピックアップする「x-みどころマガジン」

画質だけでなく、使い勝手を向上させるための新機能も搭載されてる。その最大のものがお勧めの番組をリストアップする「x-みどころマガジン」機能。従来のモデルでも「x-おまかせ・まる録」機能が搭載されていたが(新モデルにも搭載)、「x-おまかせ・まる録」は、ユーザーの録画した番組から、傾向を判断して好みの番組を自動録画するというもの。それに対して「x-みどころマガジン」は、EPGに含まれる出演者や内容といったさまざまなキーワードを分析し、世の中で、今何が旬なのかを表示するという機能。もちろん「x-みどころマガジン」からの予約録画も可能だ。

ハイビジョン番組の録画/再生向けのモデル「番組を楽しむ T」のBDZ-T55

ハンディカムなどとからのワンタッチダビングが可能な「思い出を残す L」のBDZ-L55

DRV-MFv3などの高画質技術を搭載した「シアターを堪能する X」のBDZ-X95

また、MPEG-4 AVC(ハイプロファイル対応)」高精度ハイビジョンエンコーダーを新搭載。新たに、4Mbpsでのハイビジョン録画もサポートされた(LRモード)。LRモードを使用した場合、2層ブルーレイディスク(50GB)1枚に、24時間20分のハイビジョン録画が可能となる(DVDへはMPEG-2での記録のみ)。

これら基本機能に加え、Lスタイルの2モデルでは、「ワンタッチダビングボタン」を装備。ハンディカムやサイバーショットなどで撮影した映像を、ワンタッチでHDDへダビング可能だ。さらにハンディカムからダイレクトにBDへのダビングを行う「ハンディカム対応BDダイレクトダビング」機能も搭載された。

Xシリーズでは、先日発表されたBRABIA XR1シリーズなどにも搭載される、DRC(デジタル・リアリティ・クリエーション)の最新版「DRV-MFv3」を搭載。CREASによる高階調化に加えて、映像の高精細化も実現する。さらにHDMI出力を2系統装備。FPDとプロジェクターなどの使い分けにも便利だ。全モデルが、ブラビアリンクに対応するほか、BDZ-T55/L55を除く4モデルには、DLNAサーバー機能のソニールームリンクが搭載される。

スタイル 型名 デジタルチューナー 内蔵HDD 発売日 推定小売価格
T BDZ-T55 1台 320GB 10月10日 11万円前後
BDZ-T75 2台 14万円前後
L BDZ-L55 1台 9月27日 13万円前後
BDZ-L95 2台 500GB 17万円前後
X BDZ-X95 20万円前後
BDZ-X100 1TB 28万円前後