次に近藤氏から、.NET Framework 3.5 SP1において、強化された機能について、デモを交えて紹介いただいた。特に詳しく紹介してもらったのは、以下の4点だ。

  • .NET Framework Client Profile
  • ADO.NET Data Services
  • ADO.NET Entity Framework
  • ADO.NET Dynamic Data

マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部デベロッパービジネス本部 デベロッパー製品部 近藤和彦氏

まず1つめの「.NET Framework Client Profile」だが、これはひと言で言えば「軽量版.NET Framework」である。.NET Frameworkを使用すれば、高機能なアプリケーションを簡単に作成できるが、クライアント側にも.NET Frameworkのインストールが必要になってしまう。しかも最近では、.NET Framework自体も重量級のコンポーネントになりつつあり、たとえば、バージョン3.5の再頒布可能パッケージは200MB近くもある。そこで、.NET Frameworkを使用したアプリケーションを、より手軽に使ってもらうための仕組みが「.NET Framework Client Profile」なのである。

.NET Framework Client Profileでは、クライアントPCではあまり必要とされないライブラリや、LINQなどの最新機能を削除することで、わずか26.5MBというサイズのファイルになっている。Client Profileをうまく活用することで、アプリケーションの配布と展開が容易になるというわけだ。

また、Client Profileを利用したアプリケーション開発を行うための手順は簡単だ。Visual Studio側のプロジェクト設定で「クライアント専用Frameworkサブセット」にチェックを入れるだけである。これで、Client Profileでは利用できないライブラリを使用するとコンパイルエラーが発生するようになるので、後はいつも通りの開発を行えばよい。

「クライアント専用Framework サブセット」にチェックを入れるだけで、Client Profile対応のアプリケーションにすることができる