ソニーは7月16日、パーソナルコンピュータVAIOノートの新モデルとして、ハイビジョンAVノート「type F[FWシリーズ]」、ハイパフォーマンスモデル「type Z」、マイモバイルスタイルの「type S」、オフィス向け「type BZ」の4機種を発表し、都内で発表会を行った。各モデルとも、新型ワイド液晶を搭載し、「感じるコンピューターへ」をキーワードに展開する。

新ブランドに込められた意味を語るソニー VAIO事業本部 本部長 石田佳久氏

新アプリケーション「VAIO Movie Story」は、素材とテーマを選ぶだけでムービーを自動生成

発表会ではソニー VAIO事業本部 本部長 石田佳久氏が今後のVAIOブランドについて説明。VAIOは2010年に1兆円ビジネスに成長させることを考えていて、新しい商品を全世界で発表していくとした。1996年のVAIO投入当初は、"Video Audio Integrated Operation"からVAIOと名づけていたが、10年強が経過して時代もアナログからデジタルに進歩した2008年は、新たに"Visual Audio Intelligent Organizer"へと進化させた。

Visual Audioでは、デジタル化の時代においてHDMI、Blu-rayのリソースを終結。特にVisualについては動画にとどまらず、フルHDの動画や一眼レフカメラなど高解像度の商品を投入するようになり、静止画についても提供していくため、VideoからVisualへと変更になった。

IntelligentではPCの処理能力を最大限に生かし、複雑で面倒な作業をPCにすべてやってもらおうというもの。そのためのアプリケーションを3種類紹介した。ひとつめは「VAIO Movie Story」。写真や動画といった素材を取り込んでテーマを選ぶだけでハイクオリティな映像が作成できる。2つめは「VAIO Media Plus」。サーバーへのアクセス性や一覧性を大幅に改善。ネットワーク上のさまざまなDLNA対応機器にアクセスし、各機器で管理している写真や動画、音楽を集めることができる。3つめは「Giga Pocket Digital」。従来からあるフイルムロールを踏襲したほか、盛り上がり検出などの新機能を追加。スポーツ番組などで盛り上がっているシーンのみを選んでみることができる。カタログビューでは、テレビ番組の中でタレントが着ていた洋服がどこで売っているのか、レストランはどんなメニューなのかが分かるようになった。

「VAIO Media Plus」は、さまざまなDLNA対応機器内のコンテンツが見られる

「Giga Pocket Digital」は盛り上がり検出機能を持っている

Organizerには有機的に統合するという意味を持たせている。Visual、Audio、IntelligentをひとつのPC内に搭載するためには高い技術力とデザイン力が必要。プロセス、細部へのコダワリ、カーボンなどの素材など、ひとつひとつのコダワリから生まれているのだが、このコダワリを有機的に統合し、ユーザーに満足できる形にしてきたとした。

最後に、VAIOは、このように新たな経験や感動をユーザーに届けられるように、設計、製造、販売、サポートを追及していきたいとした。

続いて、VAIO事業本部 Nootbook PC事業部長 赤羽良介氏が新型VAIO 4機種を紹介した。「type Z」は、パフォーマンスとモビリティを追求。一切妥協しない満足を体感できるモバイルマシン。プラットフォームはインテルの新しいCentrino 2を採用し、最高レベルのパフォーマンスを実現。グラフィックスはNVIDIA GeForce 9300M GS、インテルのチップセット内蔵タイプの両方を搭載。高いパフォーマンスが必要なときにはGeForce、バッテリーを長持ちさせたいときにはチップセットと、再起動することなく切り替えられる。しかもこれらの高機能を1.35kgに収めている(スーパーマルチドライブ、SSD搭載時)。これはマザーボードを「type S」比40%削減、部品メーカーとの共同開発で光学ドライブ、冷却システム、LCDで軽量化したため。また、カーボン素材を曲げ加工を増やすことでねじれ方向への強度をアップ。軽量化だけでなく高い堅牢性を持たせている。液晶は16:9の13.1インチで、キズがつきにくい表面加工を施す。モバイルPC初の書き込み可能なBru-rayドライブを搭載。HDMI搭載で大画面テレビに接続可能。メインマシンとして十分な性能を持つフラッグシップモバイルとなっている。

新VAIOの商品説明をするVAIO事業本部 Nootbook PC事業部長 赤羽良介氏

従来機(左 SZシリーズ)とtype Z(右)の分解図。マザーボード、ドライブ、冷却システムなどが飾られているが、どの部品も小型化されている

ヒンジ部のシリンダーフォルムはVAIOの顔となっている

アイソレーションキーボードにより入力しやすさを実現している

「type S」はビジネスでもプライベートでも快適に自分らしく使えるモバイルマシン。メインカラーのスターシルバー、ビジネスを意識したナイトブラック、働く女性に向けたサクラピンクの3色を用意。特徴的な機能としてSwitchを搭載。家モード、会社モード、外出先モードというように、使うシーンをボタンひとつで切り替えられ、それぞれのモードでショートカットキーを割り付けられる。たとえば、会社モードでは仕事でよく使うファイルへのショートカットを割り付けたり、家モードではDVDプレイヤーの再生・停止を割り付けたりという使い方ができる。

「type F」は大画面ノート。感動的な高画質であらゆる場所をHDシアターにすることを目指した。液晶は16:9の16.4インチワイド。NTSC比100%の色再現が可能。超小型の地デジダブルチューナーと「Giga Pocket Digital」により、VAIOならではのハイビジョン番組の楽しみ方を提供。もちろん、Bru-rayとHDMIも装備。HDをより身近にするPCとなっている。

「type BZ」は、LEDバックライト搭載15.4インチ大画面とマグネシウム合金の筐体により、薄くて軽い、堅牢なマシンとなった。安心のセキュリティ機能も搭載。BIOSアクセスコントロール機能により、光学ドライブ、USBポートなどをシステム管理者が無効にできる。キーボードは防滴性が高い、ウォーターレジスト構造を採用。多少の液体ならこぼしても問題ない。安心して使用できる丈夫な設計となっている。

最後に共通のデザイン要素を説明。ヒンジ部のシリンダーフォルムにはバッテリーや電源スイッチ、AC端子を収納。開いたときには液晶部分が下側に回りこむ構造のため液晶を低く、狭い飛行機内でも使用できるようになる。キーボードは、アイソレーションキーボードを採用。ひとつひとつがカチッとしたキーとなるうえ、独立しているため女性の長い爪がもぐりこんでしまうこともない。このように細部にまでこだわっているのだ。

発表会に登場したタレントの森泉さん(左)と女優の松下奈緒さん(右)。ともに、新型VAIOのCMに出演している

その後、新型VAIOのCMにも出演しているタレントの森泉が登場。「軽くて持ちやすい。パートナーのような存在になってくれるとうれしい」とその印象を語っていた。同じくCMに登場している女優の松下奈緒がピアノを披露。松下奈緒が作曲し、今回のCMで使われている曲を聞かせてくれた。