セールスフォース・ドットコムは、同社が提供するSaaS型CRM「Salesfoece」を、NTTコミュニケーションズ(以下NTT Com)が提供するVPN経由でも利用可能とし、新たに「Salesforce over VPN powered by NTT Communications」(以下Salesforce over VPN)として7月1日より提供すると発表した。

またセールスフォース・ドットコム、NTT Com、NTTの3社は、今後NTTが推進する次世代ネットワーク(NGN)上で「Salesforce over NGN(仮)」として、サービスを提供していくことで合意したことも併せて発表した。提供は年内を予定している。

左からセールスフォース・ドットコム 代表取締役社長の宇陀栄次氏、NTT Com 代表取締役副社長 野村雅行氏、NTT 研究企画部門 チーフプロデューサー 端山聡氏

「Salesfoece」は従来、インターネットアクセスのみが可能であった。セールスフォース・ドットコム 代表取締役社長の宇陀栄次氏によれば、従業員数100人以上の法人企業の約90%が企業通信網を構築しており、このうち約80%がVPNサービスを利用しているという。こうした企業が「Salesfoece」を利用するためには、独自でゲートウェイを構築し、「Salesfoece」を利用するためにファイアウォールのポートを開ける必要があり、社内ポリシーの兼ね合いでサービスを利用できないユーザーもいたという。

しかし、今回NTT Comが提供するVPNサービスを利用することで、インターネットを一切利用せず、閉域網でのVPN接続が可能になるため、こうしたユーザーも「Salesfoece」を利用できる。また、NTT Comがゲートウェイを含めたネットワーク基盤を提供するため、トラブル時の迅速な対応が可能になるという。

さらに9月からは、NTTドコモのiモードを利用したサービスも展開する予定だ。

Salesforce over VPNの特徴

「Salesforce over VPN」は、1ユーザーから利用でき、利用料金は工事費用が1ユーザーあたり2万1,000円(税込)、月額料金はProfessional VPN Editionが8,925円(税込)、Enterprize VPN Editionが1万6,800円(税込)となっている。

また、NTT Com 代表取締役副社長 野村雅行氏は、年度内に提案書、見積書、請求書などの社内データを格納するストレージサービスを提供し、「Salesfoece」のユーザーがシングルサインオンで利用できるようにするという。

Salesforce over VPNの今後の展開

NTT 研究企画部門 チーフプロデューサー 端山聡氏はNGNを利用するメリットについて、セキュリティや品質確保による安心・安全なネットワークのほか、回線識別による利用者認証を挙げた。これは、NGNの回線を利用するユーザー認証の結果を、アプリケーションを提供するAPパートナーに国際標準のSAMLで提供するというもの。これにより、APパートナーは、自社のパスワード認証やICカード認証の補強として利用できるという。

NGNの回線識別による利用者認証