フラッシュメモリを使ったソリッドステートドライブ (SSD)はPCのパフォーマンスや省電力性の向上、データの安全な記録を実現するとして注目されているが、価格が高いというデメリットがある。米SanDiskは11月14日 (現地時間)、フラッシュメモリ・ベースのPCI Expressモジュール「Vaulter Disk」を発表した。ハードディスクドライブとの組み合わせでギガバイトあたりのコストを抑えながら、ソリッドステートストレージのメリットも受けられるシステムソリューションとなる。

8~16GBのフラッシュメモリを搭載するVaulter Disk。HDDとの並列動作でPCのパフォーマンスを向上させる

ハードディスクドライブとフラッシュメモリの組み合わせというと、すでにハイブリッドハードディスクドライブが存在するが、フラッシュメモリの容量は数百MBである。Vaulter Diskは、OSと、フラッシュメモリの利用でアクセス時間を短縮できるデータを記録するように設計されており、来年初めにOEM向け出荷が予定されている製品は8~16GBの容量になる。シーク時間が問われないデータやアプリケーションはハードディスクに振り分け、「2つのドライブが並列で動作することで、PCの全体のパフォーマンスが向上する」(SanDisk)。

SanDisk独自のデータ分配のプリコントロールは、起動やアプリケーションのロードの高速化だけではなく、不規則なデータのアクセスにも効果が期待できるという。Vaulter製品マネジャーのTavi Salomon氏によると、小さなファイルへのランダムアクセスの繰り返し、また新しいアプリケーションの利用やインターネットでのエントリなど予測しにくいユーザーのふるまいを含めて、レスポンスタイムの向上が見られるそうだ。

SanDiskは2008年1月7日~10日に米ネバダ州ラスベガスで開催されるCESでVaulter Diskを展示・公開する。