調査会社の米ABI Researchは、携帯電話の回収・リサイクル・再利用を巡る世界の市場実態を調査したレポート「Handset Recycling and Refurbishment」を発表した。携帯電話の買い替えサイクルが縮まることにより、リサイクル携帯電話の再販市場が活性化してきているとの調査結果が出されている。
同レポートによれば、世界で2007年中に販売される携帯電話のうち、6割以上は買い替えユーザーの購入で占められるという。これに伴って、膨大な数の使用済み携帯電話の処分が必要になると見られ、古くなった携帯電話からの資源回収やリサイクルによって形成される、世界的な市場の影響力に注目が集まりつつあるようだ。さらに、新規購入されたものの、2週間ないし1カ月以内に返品されてくる、ほぼ新品に近い状態の携帯電話も相当数に上ると見られている。
こうして回収された携帯電話を再生し、低価格で販売することによって生み出される売上高は、世界で2007年にUS35億ドルを超えると予測されている。また、今後5年間は、売上高の順調な成長傾向が続き、2012年の売上高はUS60億ドルを突破するとの予測データも発表された。
なお、同レポートでは、低価格で再生販売される携帯電話の大半が、新興市場で売上げられるとしているものの、使用済み携帯電話の回収時に、個人情報を保護したリサイクル手法が徹底されるほか、再生販売製品にも、新品と同様の保証がセットされるなど、安心して利用できる体制が整ってきているため、今後は先進諸国でも需要が高まっていくとの見方も示している。