共創軟件聯盟(中国)の専門家チームは、Microsofが提唱するオフィス文書フォーマット「OOXML」(Microsoft Office Open XML)に関する分析を行い、「共創軟件聯盟弁公軟件工作組対微軟OOXML技術剖析」と題するレポートを発表した。同レポートでは、MicrosoftのOOXML技術について以下の6つの問題点を指摘している。
- OOXMLにおいて、.docフォーマットを公開するMicrosoftの約束が実現されていない。OOXMLのオープンソースがMicrosoftによって独占されているため、ユーザーがOOXMLを通じて、オープンフォーマットを作成することが保証されていない
- OOXMLには多くの未定義の技術と専有技術が含まれている。これら専有技術がMicrosoft Windows上でしか利用できないため、ほかのOSシステムにおける活用ができない
- OOXMLが国際標準とされている共通機能を引用しないことは、国際標準を定義する慣例に反している
- OOXML自体、XMLの要求をクリアしていない
- OOXMLは西洋文化のニーズだけを反映し、他文化のニーズを無視している
- OOXMLがMicrosoftのOffice2007においてしか実現できないため、「1つの基準、複数の実現方法」という原則に反している
なおOOXMLは現在、ISO(国際標準化機構)にて標準化の検討が行われている。共創軟件聯盟は、OOXMLが国際基準になることへの異議を公的に表明しており、公式サイトにおいて反対票の投票を呼びかけている。
共創軟件聯盟がこの時期にMicrosoftのOOXML技術の問題点を発表した背景には、オープンドキュメントフォーマット(ODF)の国際標準をめぐる競争がある。昨年5月にはOASISがXMLをベースに開発したODFが国際基準(ISO/IEC26300)として認定されている。また中国では、XMLをベースとした独自のUOF(Unified Office Document Format、略称「標文通」)を開発しており、今年4月に中国の国家標準(GB/T 20916-2007)として認定されている。