CEOの曹国偉氏は、「第二四半期において、新浪はブログ広告に素晴らしい兆しを見出した。われわれは新浪博客に前期より多くの広告を投入しており、ブログ広告から、より多くの収入を得ている。ブログは、より多くの広告費を獲得するための、とても重要な武器になるだろう。しかも多くの広告ユーザーが、われわれのこうした「創意(アイディア)」を大いに歓迎している」と述べた。

国民的ブログ時代、ついに到来か

新浪のように広告収入などブログの商業価値に目をつけ、ブロガーと読者からの人気を得ようと、数多くの総合ポタールサイト、ブログポータルサイトなどが各種イベントやキャンペーンを展開している。例えば総合ポタールサイトの捜狐は、先月下旬、ブログを入り口とする個人サイト「捜狐3.0」のリリースに合わせ、「第二届捜狐博客大会(第二回捜狐ブログ大会)」を開催した。人気芸能人、有名ブロガーと一般ブロガー、博友など、計1万人あまりが参加した模様だ。

会場では「2007捜狐博客年度人物榜中榜(2007捜狐博客年度人物ランキング)」も公表し、会場内外、ネット上などで大いに注目を集めた。捜狐は現在ブロガーコンテストを開催中で、Intel、ZCOM、快車FlashGet、清華同方電脳などがそのスポンサーになっている。

網易はまた、ブログチャンネル開設1周年に合わせ、今年の7月31日から9月1日まで、「我与博客的故事(私とブログのストーリー)」と題するオリジナルストーリーを募集している。網易博客にブログアカウントを持つことが、応募の条件の一つとなっているため、このキャンペーンを通じて、ブログポータルサイトとしての知名度、影響力を増したいという網易の思惑は明らかだ。

企業やブロガーなどもブログの商業価値を意識し、その付加価値を最大化させていこうとしている。公式ブログを開設し、企業情報や製品情報などを発信しながら、ユーザーとのコミュニケーションを強化させていく企業があれば、人気ブログのスポンサーになったりする企業も現れている。例えば、総合電器メーカーのSIEMENSが新浪博客と共同でブログ日誌のコンテストを行い、夏場に新登場した冷蔵庫を宣伝している。また、符徳坤亜州商港という企業は、網易と連携で「中国牛Blog(中国で最強のブログ)」を探す。入選ブログには「符徳坤亜州商港」という企業名がブログ名の前に冠せられるという。

さらに商業センスに敏感な網民とブロガーも、ブログを商業ツールとして活用している。例えば、就職活動中の大学生はブログを開設し、求人先に対して自己アピールしているし、ブログを通じて企業に製品の苦情を訴えたり、ユーザーからの同情を得ようとしたりするブロガーや集団が出てきている。このように日増しに活発化しているブログの商業的活用が、中国におけるブログの普及と「精英博客」から「草根博客」への変容を加速させていることは間違いない。

新浪は今年の「CHINAJOY」開催期間中に、「全民博客報道活動」なるものを行った。キャンペーンにはブログ投稿1,306本、写真5,000枚、ビデオ80本が届けられたという。しかも該当ブログへのページビューは計132万件で、最も人気のあったページへのページビューは32万件に達した。キャンペーンは、大変な盛況で幕を閉めた。この象徴的な出来事と、これまで取り上げてきた事実や分析とを結びつけて考えてみれば、ブログが中国において、ついに国民的な普及を達成しつつあるといっても、もはや過言ではないだろう。