「数字電視産業聯盟(デジタルTV産業聯盟)」が、北京中関村科技術園区で設立された。デジタルTV産業聯盟の主旨は、中国デジタルTV産業のイノベーション能力と競争力を強化させ、研究開発、製造、技術革新体制を充実させる事とされている。

メンバーには清華大学、上海交通大学などの教育機関と、海爾集団、聯想集団など中国を代表する大手企業をはじめ、135の企業、大学、研究機関が名を連ねる。メンバーは中国デジタルTV基準の策定、チップ開発、コア設備の製造、エンドユーザー向け製品の製造、番組制作など多くの関連領域をカバーしている。同聯盟によれば、ほとんどのメンバーが独自の知的財産権、コア技術、独自の研究成果などを持っている。聯盟には地上波放送、生中継用衛星、インターネットマルチメディア、モバイルマルチメディア放送など8つのグループが設置されており、メンバーは各自の業務内容に基づき、所属グループを決められるという。

当面、デジタルTV産業聯盟の主要タスクは、(1)コア技術の共同開発、(2)関連基準の策定、(3)技術ソースを共有するプラットフォームの構築、(4)産業全体のソリューション設計と実行、(5)産学研の協力体制と人材育成の推進、(6)ベンチャーキャピタルの誘致、(7)技術情報と基準情報を交換する情報プラットフォームの構築、(8)国際共同研究と交流の推進、となっている。

昨年、中国はデジタルTV関連で一連の基準を公布した。デジタルTVの産業化が、その後、急速に進展しつつある。来年に迫った北京五輪開催までに、CCTVや、試合が行われる地方テレビ局、デジタルTV放送のテストを行うテレビ局などが、他局に先行してデジタルTVを放送することになっている。だが、デジタルTV産業自身は多くの産業分野を横断しているだけに、数多くの企業や研究機関を抱えている。デジタルTV産業に関わっている企業などの力を結集させる組織がなければ、速やかな産業化の実現は難しいと考えられた。これがデジタルTV産業聯盟設立の背景にあった。