OpenOffice.orgは4日(米国時間)、オープンソースモデルで開発が続けられるオフィススイートのMac OS Xネイティブ版、「OpenOffice.org Aqua Development Preview」をリリースした。Mac OS X 10.4(Tiger)以降のシステムに対応、約130MBのディスクイメージはPowerPC用とIntel用の2種類が用意される。5日現在、パッケージの配布はBitTorrent経由でのみ行われている。

OpenOffice.org Aqua Development Previewは、コードベースに開発途上のOpenOffice.org 2.3を採用。Appleが定めるMac OS XにおけるGUIの指針「Aqua Human interface Guidelines」のもと、Mac OS Xにネイティブ対応させるべく移植作業を進めてきた開発チーム]の成果を反映、X Window SystemやJava/Swingに依存せず動作する。

既知の問題点としては、ドラッグ&ドロップが機能しない、コピー&ペーストの動作が不完全、プリントアウトできないことが挙げられている。マルチモニタ環境など未実装の機能も多く、クラッシュも多発することから、同プロジェクトではデータのバックアップ後の使用を推奨している。

Mac OS Xで動作するOpenOffice.orgは、描画にX Window System(X11.app)を使用するOpenOffice.orgのMac OS X移植版と、GUIをJava/Swingで再実装したNeoOfficeの2種類が利用されてきた。前者はルック&フィールがMac OS XネイティブのGUI「Aqua」とは大きく異なり、インプットメソッドを導入しなければ日本語入力ができないという課題を抱える。後者はAqua環境下で動作し、インプットメソッドやフォントは共用できるものの、起動速度などパフォーマンス面が課題とされ、根本的な解決となるMac OS Xネイティブ版への要望が高まっていた。

Mac OS Xネイティブの描画機能を利用する「OpenOffice.org Aqua Development Preview」