NVIDIAがGeForceシリーズ最上位製品を更新し、「GeForce 8800 Ultra」を発表した。基本的にはGeForce 8800 GTXからクロックのみ引き上げた上位バージョンとなるが、ではクロックアップによってどのくらい性能が上がったのだろうか。早速検証してみよう。

GeForce 8800 GTXのクロックアップ版

GeForce 8800 Ultra GeForce 8800 GTX 向上率
製造プロセス 90nm -
トランジスタ数 6億8100万個 -
コアクロック 612MHz 575MHz 6%アップ
シェーダークロック 1500MHz 1350MHz 11%アップ
ストリームプロセッサ 128 -
メモリタイプ GDDR3 -
メモリインタフェース 384bit -
メモリ容量 768MB -
メモリクロック 1080MHz 900MHz 20%アップ
メモリ帯域幅 101.3GB/sec 86.4GB/sec 17%アップ
ROPs 24 -

GeForce 8800 Ultraは、GeForce 8800 GTXからコア・シェーダー・メモリの3つのクロックが引き上げられた製品だ。製造プロセスやストリームプロセッサ数、メモリ容量やメモリ接続バス幅等まったく同様で、おそらく同じダイから高クロック動作に耐えるチップを選別したものだろう。カードベンダーが独自にGeForce 8800 GTXをオーバークロックした製品も市場には存在するが、対するGeForce 8800 UltraはNVIDIAお墨付きの高クロック版(こちらは非オーバークロック)、という違いがポイントでもある。

なお、同社の資料の中には、コアの最適化を行ったという説明もある。ただ、GeForce 8800 UltraとGTXが別ダイというのはコスト的にも見合わないだろう。これはGeForce 8800シリーズ全体でコアのリビジョンがアップしていると解釈するほうが素直だろう。この最適化によってGeForce 8800 Ultraはクロックを引き上げつつもGeForce 8800 GTXより2Wほど消費電力が少ないとされているが、これも比較した対象がGeForce 8800 GTXの初期ロットと見るのが妥当だ。どちらにせよ消費電力は175W(逆算するとGeForce 8800 GTXは177W)もあるので、引き続き電源選びに注意が必要だと考えられる。