--それでは、どちらのチームにもうかがいたいのですが、これまでETロボコンには何年ぐらい参加されているんですか?

SB:会社としては5年ですね。個人では、2~3年、4年のものもいますが、初年度のものもいますね。今年はどっちに出るんだという話になった時に、我々の東海地区の強豪チームは両方出てくるだろうってことで、じゃあ、うちも両方出るべきだろうってことで、そうなりました。チーム分けとなったところで、僕らオジサンたち(笑)はベテランだからということで、自由な発想のアーキテクトの方になったという感じですね。

--社命で出ろ、といわれたわけではないんですよね?

SB:社命というわけではないですね。自主的に参加しました。

--でも、表彰式の最中にまで電話がかかって来ちゃったりすると、社命みたいなところがありますよね(笑)。

一堂:(笑)。

SB:地区大会の時は「表彰台に上がれなかったら、坊主だ!」っていわれました(笑)。

SBのマイクパフォーマンス担当の方:僕は元々短いからいいんですけどね(笑)

--確かに参加する以上は優勝を目指すべきで、優勝すれば業界内での見られ方も変わってくるので、会社としても、応援に気合いが入るのは分かります。それにしても、ちゃんとETロボコンの価値を理解して、参加することに対して理解がある上司の方や会社ですね。

SBのマイクパフォーマンス担当の方:それは間違いなく理解してもらっていると思いますね。常設コース(画像12)がほしいっていったら、ドンと買ってくれましたし。デベロッパーチームの方も、常設してもらえたら30何秒を切りますとか宣言したんです。それで、上司が総務に電話をして、買ってもらいました。たまたまオフィスの移動とかで、開いている部屋があったというのも大きかったとは思いますが、本当に上司や会社にはかなり協力してもらって、感謝してます。

画像12。2013のコースレイアウト。これはレプリカを購入することが可能

--男∞Mは、先輩たちの代から何年ぐらい出ているんですか?

男∞M:今年で4回目ですね。CS進出は3回目です。ただ、僕(リーダー)は去年も参加していましたが、ほかのメンバーは5年生も含めて全員今年が初参加です。

--指導する側としても嬉しいんじゃないですか? 教え子が遂に頂点に立って

男∞Mの先生:そうですね。嬉しいです。

男∞M:先生には、週末に使ってない会議室を抑えてもらったり、もう助けてもらいっぱなしでした。

--ちなみにデベロッパーではなくて、アーキテクトに挑戦したというのはどういう理由なんですか? より難しいのはわかっていたかと思いますが。

男∞M:去年までは、卒業研究の一環ということで、毎年3~4人で取り組んでいたのですが、今年から同好会としてクラブ活動になってこうして一気に人数が増えたんです。なので、2チーム出せたら出したいね、という話をしていたところに、アーキテクト部門新設ということでしたので、経験者の僕と数名でアーキテクト部門と、新しく入って来たメンバーでデベロッパーとして出ました。残念ながら、デベロッパーの方は地区大会を突破できなかったので、その後は全員でアーキテクトに集中しました。

--どこのチームも、ちゃんとトークができる方、何かあっても機転が利いてそれもネタにできるような方がちゃんとキーマンとしていて、もちろんSBみたいにスカウトされているところもあるんでしょうけど、どこのチームもそこは考えているんだな、という感じは受けましたね。

男∞M:うちはまずストーリーを決めたんです。お姫様が魔王にさらわれて、勇者が助けに行く。そして味方は博士っていう話で、とりあえず会員を見渡して、キミが勇者かなと、勇者っぽい人間、という形で決めて行きました(笑)。僕は博士に決まったんですが、魔王が決まらなかったんですね。そこで「魔王総選挙」として、全員がそれぞれ魔王のセリフをいって、最も魔王に向いているメンバーを選ぶということをしまして、彼に決まりました(隣の魔王役のメンバーを指し示す)。(画像13)

画像13。勇者走行体が魔王城に挑むシーン。後ろでは、左から博士、勇者、魔王の3名がマイクパフォーマンス

--個人的によかったのが、やはりリカバリ。演技開始で冒頭で、走行体が転んでしまって、あれは予定にはなかったんですよね?

男∞M:そうです。

--でも、何回か転んでしまって、それもうまくネタにしていた。実は転んだ場合というのも想定していたんですか? それとも、とっさに出てきたんですか? とっさにその転んだこともネタにした感じがして、機転が利いていて上手だな、と感心したのですが。

男∞Mの勇者役のメンバー:実は想定していませんでした。ただ、第4ゲート(画像14)を抜けた後の走行体とハカセタンク(画像15)との合体ではこけたり、合体がうまくいかない可能性はあるね、という話はしていました。しかし、最初でこけるとは思っていなかったので、もうパニックでしたね(笑)。

男∞Mのリーダー:走行体がハカセタンクに乗り込んで合体するところが最大の見せ場でもあるのですが、やはり一番難しくて。練習でも失敗することが多かったんですよ。その時のエラーの対処方法は考えていたんですけど、まさか走り出していきなりというのは想定していませんでした(笑)。

画像14(左):第4ゲートも飾り付けられ、ここを抜けるとハカセタンクとの合体が待つ。 画像15(右):ハカセタンク。勇者走行体のパワーアップパーツだ