--しかし、今回はアーキテクト部門は初めての開催だったのに大好評で、大成功でしたね。観客の人たちの期待感が半端じゃなかったですし。アーキテクトが始まったら、立ち見の観客も多くて、人垣がすごいことになってました。実際に自分たちの出番になって、そういう観客からの期待って肌で感じましたか?

男∞M:そうですね、少しは…。あまりそういうのを気にしている余裕がなかったのはありますけど。

--しかも、今回の特別審査員の方たちがまた厳しい面々がそろっていたみたいで、今年が1回目だというのに、かなりシビアで、ちょっと説明から想像されるパフォーマンスと異なると、「うーん、ちょっとなんか違うなぁ~」と、簡単にはウチワを上げなかったんですよ。

ETロボコン実行委員会本部・運営委員長の小林靖英氏:今回の特別審査員の方は、技術系の方が多いんです。結構な大物の方に来ていただいてますし。僕らもあのジャッジはなかなかシビアだというのは感じましたね。面白さも求めるけど、ちゃんと技術的なところのレベルの高さもチェックするという、技術者ならではの目線の評価という感じでした。

男∞M:こわいな~(笑)。

--いやいや、みなさんはちゃんとそういうすごい人たちに認められての優勝ですから、自信を持ってください(笑)。でも、ベテランエンジニアを擁した企業チームが優勝候補になるだろうという予想はつきましたが、まさか学生チームが優勝するのは予想外でした。企業チーム側から見て、学生チームが来たというのはどうですか? サプライズですよね?

SB:そうですね、本当にすごいなって思ったのは、我々も実は最初に何をやろうかというのと考えた時に、合体ロボが候補に出てはいたんですよ。でも、それは無理だろうと、現実路線を選択してその案は捨てたんですよね。でも、彼らはそこをきっちりと具体化してきた。これは、やはり若さだなぁ…と(笑)。

--また男∞Mの人数の話に戻りますけど、全員でやると「船頭多くして…」ということになりかねませんが、それでも全員でブレインストーミングして決めてきたんですか?

男∞M:そうですね。最初はみんなでブレストしてどんどん広げていって、「とりあえず、カッコイイのがいいよな」「男ばっかりだし、男子力あるのがいいよな」「でもやはり、高専ぽいのでもいきたいよね」って感じでして、ゴールデンウィーク頃からやっていたんですが、7月になっても決まっていなくて、「やばい、そろそろ定期テストがあるぞ。とりあえず、定期テストまでに決めよう」ってことで、僕が提案する形で、合体ロボでみんなにOKをもらって、とりあえず決めました(笑)。

--先生は、基本的に学生のみんなに任せていたんですか?

男∞Mの先生:そうですね、基本は任せていました。先ほども出ていましたけど、部屋を取ったりとかはしましたが。それと、20時以降は学生だけで残ってはいけないんですよ。

--あぁ、先生の貴重な時間を提供していただいたと(笑)。先生もご家庭を犠牲になさっていたわけですね。

一堂:(笑)

男∞Mの先生:さすがに毎日ではないですけど、この日は遅くなりそうだなという日は残りましたね。昼間は勝手にやらせているんですけど。

男∞M:先生には娘さんもいらして、申し訳ないなぁと。

--社会人チームは徹夜しようと思えば徹夜できて、段ボール敷いて寝たりとか、僕はライターなんで今は自宅で仕事していますが、20年前の編集者時代にはイスを3つ並べてその上で寝られるようになったら1人前だとかいわれたりしましたが(笑)、学生チームは学校の門限もあるから、時間が限られているという点では、少し不利かも知れませんね。

男∞Mの先生:でも、結構、ダラダラやってましたよ(笑)。

--でも実際のところ、9月14日に地区大会があって、CS大会が11月20日ですから、2カ月ほどですよね。それまでの蓄積はあるにしろ、大変だったと思います。社会人として、SBのみなさんも思われますよね?

SB:そうですね。

--RPGでいったら、どれだけ一気にレベルが上がったんだという状況のような(笑)。

男∞M:実は、地区大会とCS大会で、ガジェット(画像16)は全然違うんですよ。一から作り直してます。

--そうなんですか!。ソフトウェア的なアップデートなどはしているだろうとは思っていましたが、ガジェットも作り直していたとは。まさか、地区大会で完成度が低いというのは想像がつきますが、動いていなかったとはとても思えない完成度でしたし。

ETロボコン運営の小林氏:実際に地区大会に行って見てますが、テーマが合体で同じというだけで、ほかはもうほぼ違ってますね。

男∞M:(笑)

--ということは、CS大会の出場チケットをもらったから本気を出したと。

画像16。男∞Mのメンバーが競技前にガジェットを組み立てている様子

一堂:(笑)

男∞M:のプロマネ:地区大会の時はプロマネがいなくて、その場その場の行き当たりばったりで、あれ作ってこれ作ってとやっていったので、評価も「コンセプトはいいけど、それ以外はね」という結果だったんです。そこから、その反省をもとに僕がプロマネになることになりまして、「お前はこれを作って」「キミはこれを作って」「先輩はこれを作ってください」と、曲とかも全部自分たちで作ったんですけど、全部期日を決めて管理して、それを昨日までやって来ました。

--逆にいうと、プロマネの目が変わって、一気に引き締まったと。

男∞M:そうですね。1度、地区大会のデベロッパーで負けて、その悔しさを持ってアーキテクトに合流したメンバーもいるので、地区大会前と後ではモチベーションも変わったと思いますし、夏休みの活動が結構1日1日が長くて間延びしてしまう感じでしたが、地区大会の後はもう授業が始まってますし、時間を有効活用しようという形になりました。それで逆に引き締めて作業することができたんだと思います。

--みんなすごいポテンシャルを秘めているのに、なぜそれを地区大会で出せなかったか、という。

男∞M:(笑)

--もちろん、リーダーの方以外は初めてなのでいろいろとわからなかったとは思いますが。地区大会を経験して、「こうやるべきだったんだ」というのが見えてきて、CS大会では無様な姿は見せられないということで、目の色が変わったというわけですね。それは端から見ている先生としても、空気が変わったなというのはあったんですか?

男∞Mの先生:そうですね。反省は活かそうと。活かせたかどうか疑問なところもありますが。本来、会長がプロマネもする予定だったんですが、会長自身はガジェット作りでいっぱいいっぱいだったので、もう1人必要だろうと。そこは彼が先ほどいった通り、反省を活かしたところですよね。