米Appleは6月5日(現地時間)、音声アシスタント「Siri」を搭載したスマートスピーカー製品「HomePod」を発表した。発売は12月の予定。当初は米国、英国、豪州での展開となる。

HomePod

HomePodは高さ7インチ (約18cm)の円筒型をしたスピーカーで、カラーは原稿執筆時点でブラックとホワイトの2色が確認されている。上向きにウーファーを、下部には全体を囲うように6つのマイクと7つのツイーターを内蔵しており、ツイーターは指向性の高い「ビームフォーミングツイーター」となっている。

上部にはAppleの「A8」プロセッサが搭載されている。これはiPhone 6に採用されていたものと同世代の64bitプロセッサで、現行のApple TVにも搭載している。このA8を使って空間認識 (Spatial Awareness)を行い、スピーカーが自ら自分の位置などを把握して、各ツイーターから反射なども含めた最適な音を出力する。

またマイクはそれぞれがノイズや反響音を除去する仕組みになっており、音楽を鳴らしている間でも、後述するSiriへの呼びかけをクリアに聞き取ることができる。

Siriを内蔵、Homekitの制御も可能

HomePodは音声アシスタント「Siri」を内蔵している。これにより、音声でSiriに命令することで音楽をかけたり、音量の調節、天気予報やスポーツの試合結果報告、ニュースなどの読み上げ、またHomekitに対応したIoT製品の制御も行える。音楽についてはApple Musicに接続できるため、「Beats 1」ラジオを流したり、プレイリストの再生などが可能だ。

Siriでのコントロールが可能

Homekitについては、HomePodを使って直接制御できるほか、iPhoneやiPad用アプリを使えば、家の外からリモート経由でHomePodが管理しているIoT機器の制御(たとえば明かりを点灯/消灯するなど)が行える。

スマートスピーカー製品としてはGoogleの「Google Home」が日本上陸を発表しているほか、LINEも夏に「Clova WAVE」を投入する見込み。またAmazon Echoなども着々と準備を進めているという。HomePodは製品の発売が半年後で、日本上陸は早くとも来年以降と、ライバルに比べて一歩出遅れた形だが、AppleがどのようにAIを家庭に浸透させていくのかが興味深いところだ。