パナソニックは1月4日 (ドイツ時間)、世界初 (※) となるHDR対応の4K有機ELテレビ「EZ1000」を発表した。画面サイズは65インチで、欧州では2017年6月の発売を予定している。価格は未定だが、既存の「CZ950」がデビューした時の9,999ユーロを下回る見込みだ。また、欧州だけでなくグローバルでの発売を計画しており、その中に日本も含まれるという。

※2017年1月4日時点、パナソニック調べ

「EZ1000」、米ラスベガスで行った発表会でべールを脱いだ

EZ1000のリリースにあたってパナソニックは、CES 2017の開催直前であることから米ラスベガスで欧州向けの記者発表会を行った。EZ1000は、HDR対応の有機EL (OLED) パネルを採用。最高輝度は現行パネルの2倍近くとなる800nitに向上し、DCI色域をほぼ100%カバーする。さらに、アブソリュート・ブラック・フィルターを加えており、HDR映像が持つ本来の美しさを階調性豊かに再現する。

映像プロセッサーには新開発の「HCX2」を搭載。さらには、ハリウッドの著名カラリストであるMike Sowa氏と共同で表示のチューニングを徹底的に追い込んでいる。14基・総出力80Wのバースピーカーを標準で装備するサウンドも圧巻。同社が誇るTechnicsの技術者が音質のチューニングを手掛けている。

新開発の「HCX2」プロセッサー

次世代の有機ELパネルを採用。欧州向けの現行モデル「CZ950」は湾曲型のパネルだったが、EZ1000ではフラットに。最大輝度は最大800nitに向上し、DCI色域をほぼ100%カバーする

次世代の有機ELパネル、独自に培ってきたイメージプロセッサーの技術、ハリウッドの専門家とコラボレートした色再現性が究極の映像美を作り上げる

ゲストとして招かれたカラリスト、Dado Valentic氏によるデモ。左から他社製品、中央の小さいものが制作現場で使われるリファレンスモニター、右がEZ1000。EZ1000は黒、とくに暗いシーンでの階調表現に優れる

左から発表会に登壇した、パナソニック アプライアンス社 テレビ事業部 事業部長の品田正弘氏、パナソニック アプライアンス社 AVCマーケティングセンター テレビマーケティング部 部長の村山靖氏、カラリストのDado Valentic氏

コンパクトなUltra HD Blu-rayプレーヤーも

EZ1000と同時に、Ultra HD Blu-rayプレーヤー「DMP-UB400」「DMP-UB310」「DMP-UB300」も欧州向けに発表された。発売時期や価格は確定していないが、既存の「DMP-UB900」や「DMP-UB700」に比べてコンパクトな設計となっており (幅320mm)、安価に提供される見込みだ。

下段の2製品がDMP-UB400とDMP-UB300シリーズ。上段は既存製品

DMP-UB400、DMP-UB310、DMP-UB300とも映像プロセッサーに「HCX」を搭載し、4K/60pの再生やBT.2020の広色域をサポートする。Optimum HDR Processingと呼ばれる機能では、リモコンのHDR設定ボタンを押すことで、部屋の明るさに合わせて好みのHDR映像表現を選択できる。また、ハイレゾ音源の再生も可能となっている。

DMP-UB400は2基のHDMI端子や高音質機能を搭載することが、DMP-UB310 / 300との違い。DMP-UB400とDMP-UB310はWi-Fi機能あり、DMP-UB300はWi-Fi機能なしとなっている。

HCXプロセッサーを搭載するほか、ハリウッドの色再現ノウハウを注入

DMP-UB400とDMP-UB300の違い

リモコン、ほぼ中央の「STOP」ボタンの右下に「HDR SETTING」ボタンがある