低脂肪ヨーグルトには多くの砂糖が使われているという

世の中には無数の「ヘルシーフード」が出回っている。やせたいと願う人や健康でいたい人はそれらの食品に手を伸ばすかもしれないが、ちょっと待ってほしい。実は私たちが「ヘルシーだろう」と考えている食品は、思っているほど健康的ではないかもしれないのだ。

海外のさまざまなニュースを紹介する「MailOnline」にこのほど、「栄養士が決して食べないであろう『ヘルシーフード』」と題したコラムが掲載されたのでその内容を紹介しよう。

ロンドンの栄養士であるリアノン・ランバート氏は、多くの人によって「健康的な食品」ともてはやされている食品の一部には、「本当にそうなのか」と再考する余地があると考えている。本稿では、そんな「要注意のヘルシーフード」と見なされている食品を7つ紹介しよう。

アガベシロップ

アガベシロップの製造過程でアガベの栄養素はすべて破壊されるうえ、果糖が多く含まれている。また、アガベシロップは米国に大量の肥満成人が出ていることの主要な原因と考えられている異性化糖(ブドウ糖と果糖を主成分とする液状糖)と組成が似ているとランバート氏は指摘する。

低脂肪ヨーグルト

低脂肪ヨーグルトは「低脂肪」という文言に惹かれがちだが、驚くほどの砂糖を含むという。「低脂肪・無脂肪ヨーグルトには、デザートと同じぐらいの糖分が含まれています。ギリシャヨーグルトのみを選び、フルーツをプラスすることで味付けをしましょう」。

プロテインバー

人工甘味料が含まれているプロテインバーは避けるべき。しばしば、こういったプロテインバーには「低糖」「低炭水化物」などの表示がされているかもしれないが、砂糖から精製された人工甘味料(スクラロース)が用いられているとのこと。「スクラロースは血糖値を上げ、その値が下がると空腹を感じるようになり、結果として体重増加につながります」とランバート氏は指摘する。

シリアル

ランバート氏はオート麦をベースとしたシリアル以外は避けるべきと推奨している。特に「ダイエット用」や「子ども向け」と表示されているものは要注意。たんぱく質が不足しているし、糖分や精製炭水化物が使われており、ミルクを足せば糖分の摂(と)りすぎになりかねない。

トマトケチャップ

問題なのは、ケチャップに含まれている塩分と糖分の量。テーブルスプーン1杯に砂糖4gとナトリウム190mgが含まれているとのこと。「4gの砂糖は多くないように思われるかもしれませんが、天然のトマトから得られる糖分と比較したら多すぎです。塩分についても同様のことが言えます。テーブルスプーン8杯分のケチャップが、私たちの一日の塩分許容量に相当します」。

フルーツジュース

「多くのフルーツジュースは、フルーツ味の砂糖水よりもやや多い砂糖を含みます」とランバート氏。ジュースにはいくつかの抗酸化物質とビタミンCが含まれているのは事実だが、そのメリットを上回るだけの糖分を一緒に摂取することになる。特に濃縮フルーツジュースはより多くの砂糖を含んでいるそうで、実際の果物の方が栄養価に優れるとしている。

グラノーラバー

蜂蜜やドライフルーツなど、グラノーラバーには「すべての砂糖が詰め込まれている」とランバート氏は表現しており、とてもではないが「ヘルシーフード」に分類できないとしている。

英国の食品に慣れ親しんでいるであろうランバート氏の指摘は、日本製の上記食品に該当しないこともある。ただ、こういった情報は食品に記載されている栄養成分表示から得られることもある。本日を境に、食品表示をきちんとチェックする習慣を身につけ、本当に「ヘルシー」な食品を探すようにしてみてはいかがだろうか。

※写真と本文は関係ありません


記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。