月に1回くらいのペースで、「自分の一番キレイな顔」が現れることを経験している女性は少なくないのではないだろうか。「そんなことはありえない」と思いつつも、その日は何となく、街で感じる「人の視線」がいつもと違う気がしないだろうか。

月に1回くらいのペースで、「自分の一番キレイな顔」が現れるのを経験したことはないだろうか

女には月に一回、顔立ちが整う日が来る

美容ジャーナリストである齋藤薫さんは、その「自分の一番キレイな顔」が現れるのは、女性に特有の「排卵日」ではないかと考えている。

「排卵日は特定できないので『排卵期』としておきたいと思いますが、その時期にまず肌が美しくなることに自ら気づき、そういう変化を意識するうちに、肌だけじゃなく顔立ちまで変わるということに気づいたのです」。

生理前はホルモンバランスが崩れ、肌荒れやニキビが目立ってくる。そのうえ、精神的にも落ち着かずイライラする。逆に、排卵日には女性ホルモンの分泌が高まって、肌がキレイになることも常識となってきている。

「でも、顔立ちまでが整うとは、さすがにどこにも書いていなかったから、長らく自分だけの胸にしまっておきました。『自分の鏡の中だけの話』として、口に出すことは一度もなかったですし、証明してくれる学説などもひとつもなかったから、ずっともんもんとしていたものです」。

排卵期の女性に魅力を感じるという研究

ところが10年ほど前、海外のテレビ番組「ナショナル ジオグラフィック」内で、「性」についてのさまざまな考察が具体的に語られているのを発見。「排卵期の女性は男性を惹きつける」という仮説を証明するいくつものデータが紹介されていたという。

その内容は、排卵期とそうでないときの女子大生の顔を、男子学生が「女性として評価する」というもの。実際、排卵期の女性は普段より美しく魅惑的で、明らかに美人に見えるという結果が出たとのこと。さらにはプロポーションまでが女っぽくセクシーに見えるという評価までされていたそうだ。

「女性が歩いている姿を男子学生が眺めるという『原始的な実験』ではありましたが、それだけに極めてリアルな内容でした。『まさにコレコレ』と興奮したのは言うまでもありません」。

人間も多くの動物と一緒で、生殖能力が高まる排卵期には、姿・形も異性の関心を惹くようなものになっていくのだろうか。

「こういうときに体臭のような『目に見えないフェロモン』で、異性の気持ちを引くような生理があるのはよく知られていましたけれど、見た目の形まで変わってしまうのはまさに『神の仕業』としか言いようのないものなのです」。

「あの日」の合コンはありか

もちろん個人差はあるようで、そういう変化に全く気づかない人もいるはず。

「ただ少なくとも私自身は、かなり明快に感じていました。そして、あらためて振り返ってみると、そういう日は確かにボーイフレンドがいつもより優しかったり、会社の上司の対応も少々違った記憶があったりして……」。

女性の皆さんも思い出してみてほしい。「一目ぼれ」されたのは、ひょっとして「あの日」ではなかっただろうか。

「生理前には黄体ホルモンの影響で、誰もが『やたら怒りっぽく不機嫌な嫌な女』になるとされてきたわけです。ならば、逆に排卵期は『心まで優しく素直ないい女』になるということにはならないでしょうか? 」。

「月に一度のそういう日にこそ、いろんなチャンスが盛り込まれている」とも考えられなくもないため、あえてそういう日に合コンをセッティングするのもありかもしれない。

「少なくとも、女には女性ホルモンが決める『イケてる日』と『イケてない日』が明快にあることを、肝に銘じておくべきなのです。でないと、みすみす幸せを逃すことにもなりかねません。『女性ホルモン恐るべし』です。ホルモンの影響は、あらゆる美容を凌駕(りょうが)してしまうことだけは知っておくべきなのです」。

からだエイジング