2016年6月28日、MicrosoftはWindows 7および8.1ユーザー向けのWindows 10アップグレート通知「Windows 10を入手する」(GWX)のユーザーインタフェースを変更した。

Windows 10へのアップグレードについては、日本の消費者庁が「Windows 10への無償アップグレードに関し、確認・留意事項が必要な事項について」を発表したり、米国ではユーザーからの訴訟で米Microsoftが1万ドルの賠償金を支払うことになったと海外メディアが報じたりしている。

こうした一連の流れを受けて、MicrosoftはGWXのユーザーインタフェースを変更するにいたった。「Windows 10を入手する」ダイアログでは、右上の<×>ボタンでウィンドウを閉じても、Windows 10へのアップグレード自体はキャンセルされなかった。これは、<×>ボタンでウィンドウを閉じるとアクション自体をキャンセルするという、Windowsの慣例と相反する動作だ。今回の変更では、<×>ボタンでダイアログを閉じ、後日あらためて「Windows 10を入手する」ダイアログを表示するようになった。

UIを変更し、Windows 10へのアップグレードをキャンセルする選択肢を用意したGWX(Foley氏の記事より引用)

また、従来の「Windows 10を入手する」ダイアログでは、無償アップグレードを実行するか、アップグレード期間を指定するか2つの選択肢しか用意していなかったが、ZDNetに寄稿したMary Jo Foley氏の記事によれば、新たに<Decline free offer>ボタンを設けた。意訳すると「Windows 10への無償アップグレードを断る」で、第3の選択肢が増える。執筆時点では、日本語版Windows 7および8.1のGWXに変更はないが、近々のアップデートで同じユーザーインタフェースになると予想される。

日本語版Windows 8.1で確認したところ、Windows Update経由の更新プログラム配信は行われておらず、WGXのUIは以前のままだった

■2016年7月4日追記
日本語版のWindows 7および8.1でも、今回の変更が反映されている。

2016年7月4日時点の、Windows 8.1における「Windows 10を入手する」画面。「無償アップグレードを辞退する」という選択肢が加わっている

アップグレード問題に関しては、日本マイクロソフトも2016年6月10日に開催した発表会でキャンセル方法を丁寧に説明していた。2016年7月29日に無償アップグレード期間が終わると、Windows 10へのアップグレードは有償となる。現状では、Windows 10 Home / Proのフルパッケージ版を購入することになり、日本のマイクロソフト ストアでの税込価格は、Windows 10 Homeが19,008円、Windows 10 Proが27,864円だ。また、2016年7月29日以降には、Windows 10の大型アップデートに数えられる「Anniversary Update」のリリースも控えている。

阿久津良和(Cactus)