米AMDは2日(現地時間)、デスクトップ向けプロセッサの新モデルとして、「A10-7860K」「A6-7470K」「Athlon X4 845」を発表した。米国での参考価格は「A10-7860K」が116.99ドル、「Athlon X4 845」が69.99ドル。日本国内における発売時期や価格は未定。また、これに合わせて静音を意識した新CPUクーラーの投入も予定する。

新たに投入される3製品

いずれもFM2+プラットフォームに対応したデスクトップ向けプロセッサ。このうち「A10-7860K」「A6-7470K」は、Godavari世代の倍率アンロックに対応APUで、オーバークロックに対応する。CPUコアにSteamroller、GPUに第2世代GCNベースのRadeon R7/R5 Graphicsを統合する。TDPは既存モデルの「A10-7870K」や「A8-7670K」が95Wのところ、65Wまで引き下げられている。既存モデルとのスペック比較は以下の通り。

製品名 A10-7870K A10-7860K A8-7670K A8-7650K A6-7470K
CPUコア数 4基 2基
CPUアーキテクチャ Steamroller
CPUクロック
Base/Boost
3.9/4.1GHz 3.6/4.0GHz 3.6/3.9GHz 3.3/3.8GHz 3.7/4.0GHz
L2キャッシュ 4MB 1MB
GPU Radeon R7 Radeon R5
GPUコア数 8基 6基 4基
GPUクロック 866MHz 757MHz 720MHz 800MHz
TDP 95W 65W 95W 65W

一方の「Athlon X4 845」はGPUを搭載しないCPU。CPUコアに"Excavator"コアを採用。同コアはモバイル向けAPU「Carrizo」でも採用されたものだが、デスクトップ向け製品では初となる。CPUコアは4基、L2キャッシュが2MB、動作周波数はベースが3.5GHzで、ブーストが3.8GHz、TDPは65W、8レーンのPCI Express 3.0をサポートする。

A10-7860KやAthlon X4 845では静音重視の新クーラーが付属

さて、AMDは2016年1月のCES 2016で新しいリテールクーラー「THE AMD WRAITH COOLER」を発表した。ヒートシンクやファンを改良し、冷却性能を向上させつつも、既存のクーラーと比べてノイズを10分の1に低減した高い静音製を備えるという。

「THE AMD WRAITH COOLER」の概要。既存のリテールクーラーと比較して風を受けるフィンの面積を24%、風量を34%増加させた一方で、ノイズは39デシベルに抑える。AMDによると「無音に近い」レベルだという

「THE AMD WRAITH COOLER」はAMD FX-8370に付属するという

今回発表されたA10-7860KやAthlon X4 845では、この「THE AMD WRAITH COOLER」に迫る静音性を実現するという新クーラー「95W Quiet Thermal Solution」が付属する。また、「A8-7670K」「A8-7650K」「Athlon X4 870K」「AMD Athlon X4 860K」といった既存製品にも今後出荷するものについては、「95W Quiet Thermal Solution」が付属するとしている。

「95W Quiet Thermal Solution」。こちらも静音性を高めたものとなる

「95W Quiet Thermal Solution」には、ヒートシンクにヒートパイプが組み合わさった大型のものと、ヒートシンクの背が高めな小型のものの2種類が用意されるようだが、どのプロセッサにどちらのクーラーが付属するかはいまのところ不明。

こちらは「THE AMD WRAITH COOLER」に近い形状。具体的なスペックは明かされていない
こちらは現状のリテールクーラーに違い形状となっている。おそらくはスペースに余裕がない小型マザーボード向けと思われる