猫砂の種類は非常に沢山ありますが、どの猫砂を選べば良いのでしょうか。初めて猫を飼う猫初心者の方にもわかりやすいように各猫砂の特徴を解説します。猫はトイレに対して、こだわりが強く、気に入らない猫砂だとトイレの外にしてしまうことも。トイレへの不満は膀胱炎や尿路結石の発症にも関連します。適切な猫砂を選び猫の健康をサポートしましょう。

一般的な猫の好み

猫の好みの猫砂と言われても、初めて選ぶ際に基準に選べば良いかわかりませんよね。ある実験では猫に14種類の猫砂を選ばせ、以下の特徴の砂が人気であったと報告されています。

・粒子は細かめ
・匂いなし
・固まりが良い

また素材に関しては、紙タイプと木材タイプに比べ、鉱物タイプが好まれたという結果も出ました。

初めて猫砂を選ぶ場合は猫の好みがわかりませんので「鉱物タイプ、細かめ、匂いなし、固まるタイプ」を条件に探してみるのも良いでしょう。

どうやって猫の好みを見極めるか

猫の好みを調べるには、実際にトイレを並べ違う種類の砂を入れ、どのトイレを頻繁に使うか試すしかありません。

トイレの形状にも好き嫌いがあるので、可能であれば比較実験で使用する猫トイレは全て同じタイプのものを準備するのが望ましいです

以下は、砂に不満があるときの行動です。心当たりがないかチェックしてみて下さい。

(1)トイレの縁に乗って用を足す
(2)一、二歩入ったところで用を足す
(3)用を足す前にあまり砂を掻かない

※(1)と(2)の行動は、「猫砂ではなく猫トイレそのものを気に入っていない」というケースでも見受けられます。

素材別解説

■鉱物タイプ(ベントナイト)
もっともクラシックで、自然環境(土や砂)にも近いタイプです。実験でも多くの猫に選ばれました。固まりがよく掃除が楽、消臭力が強い、比較的経済的という点がメリットとして挙げられます。デメリットは重い、処理が煩雑、粉が舞うなどです。

■植物由来タイプ(木材、おから、コーン等。再生紙もここに含みます)
軽いため持ち運びが楽です。淡い色が多いので尿色の変化に気がつきやすいというメリットもあります。その他のメリットとして、エコ、(商品により)トイレに流せる、毛につきにくいため術後または長毛の猫でも使うことができる、などがあります。デメリットは塊が弱い、粉がよく舞うなどです。

また、生分解性(微生物によって分解される)があるものは、土に埋めることで堆肥として使うこともできます。家庭菜園がある人にとっては大きなメリットですね。仔猫が食べてもしまっても、比較的安全です。

■シリカゲルタイプ
システムトイレ(スノコ式で尿が下のシートに吸収されるトイレ)の猫砂はこのシリカゲルタイプであることが多いです。メリットは消臭力が強力な点、そしてシリカゲル自体に抗菌作用があることです。また粉もあまり立ちません。デメリットは処理が煩雑、比較的高価であることなどです。

各素材の一般的な特徴を表にしました。コストパフォーマンスに関しては各商品に大きく依存します。が、食物由来タイプは鉱物タイプに比べ固まりと消臭力が弱く、交換する頻度が多くなるので少し差をつけました。

まとめ

猫砂を使うのは猫ですが、買うのは飼い主さんです。そのためメーカーはにおいや、処理のしやすさを前面にアピールしがちですが、まずは猫が好むものを選びましょう。その上で、飼い主さんのライフスタイルに合う利便性の高いものがあれば、猫も飼い主さんもハッピーになれると思います。

■著者プロフィール
山本宗伸
獣医師。Syu Syu CAT Clinicで副院長を務め、現在マンハッタン猫専門病院で研修中。2016年春、猫の病院 Tokyo Cat Specialistsを開院予定。猫に関する謎を掘り下げるブログnekopediaも時々更新。