Bブロックで優勝を果たし、10月12日に行われる「将棋電王戦タッグマッチ2014」ファイナルラウンドへ進む西尾明六段

将棋のプロ棋士がコンピュータ将棋ソフトとタッグを組んでトーナメントで対局する「将棋電王戦タッグマッチ2014」1st RoundのBブロックが23日、東京・六本木のニコファーレにて行われ、西尾明六段・ponanza組が優勝した。

Bブロックには、佐藤紳哉六段・やねうら王、菅井竜也五段・習甦、西尾明六段・ponanza、船江恒平五段・ツツカナ、阿部光瑠四段・YSSの5組が出場。決勝ではトーナメントを勝ち進んだ西尾明六段・ponanza組と菅井竜也五段・習甦組が対戦し、角換わり模様の力戦から類型のない難解な戦いに進む。駒得になった後手が手厚い指し回しでリードを守り、152手で制して優勝を決めた。消費時間は▲菅井竜也五段が58分、△西尾明六段が1時間。表彰式で西尾六段は「ponanzaが強いソフトということはよくわかっていた。自分の指したい手も指せて、最後はponanzaらしく決められた。タッグを組んでうまくできたと思う」と振り返った。菅井五段は「優勝したかった」と笑顔で一言だけ語った。優勝した西尾明六段・ponanza組は、10月12日に行われるファイナルラウンドに進出する。

「将棋電王戦タッグマッチ2014」は、プロ棋士がコンピュータ将棋ソフトを操作し、ソフトの推奨手を参考にしながら対局するトーナメント戦。9月20日の1st Round Aブロック、23日の1st Round Bブロックを経て、10月12日のFINAL Roundの3日間にわたって開催。1st Round Aブロックと1st Round Bブロックの勝者がFINAL Roundへ進み、シード組の佐藤慎一四段・ponanza 2013年ver.、久保利明九段・習甦とトーナメントで激突する。また、プロ棋士には、メガネ型のウェアラブルデバイスが装着され、この端末を通じて将棋ソフトの推奨手の情報を得ることができる。

9月13日に行われたAブロックでは、森下卓九段・ツツカナ組が優勝。今回のBブロックの結果を合わせて、10月12日のFINAL Round出場者は、森下卓九段・ツツカナ組、西尾明六段・ponanza組、そしてシード組の佐藤慎一四段・ponanza 2013年ver.、久保利明九段・習甦に决定した。FINAL Roundは、10月12日ニコファーレにて行われ、全対局が動画サービス「ニコニコ生放送」にて生中継される。

第2回将棋電王戦 観戦記
第1局 阿部光瑠四段 対 習甦 - 若き天才棋士が見せた"戦いの理想形"とコンピュータの悪手
第2局 佐藤慎一四段 対 Ponanza - 進化の壁を越えたコンピュータが歴史に新たな1ページを刻む
第3局 船江恒平五段 対 ツツカナ - 逆転に次ぐ逆転と「△6六銀」の謎
第4局 塚田泰明九段 対 Puella α - 泥にまみれた塚田九段が譲れなかったもの
第5局 三浦弘行八段 対 GPS将棋 - コンピュータは"生きた定跡"を創り出したか?
第3回将棋電王戦 観戦記
第1局 菅井竜也五段 対 習甦 - 菅井五段の誤算は"イメージと事実の差
第2局 佐藤紳哉六段 対 やねうら王 - 罠をかいくぐり最後に生き残ったのはどちらか
第3局 豊島将之七段 対 YSS - 人間が勝つ鍵はどこにあるか
第4局 森下卓九段 対 ツツカナ - 森下九段とツツカナが創り出したもの
第5局 屋敷伸之九段 対 Ponanza - 屋敷九段とPonanzaが一致していた読み筋