【レポート】

菅井五段の誤算は"イメージと事実の差"「第3回将棋電王戦」第1局 - 進化を遂げた習甦の強さ

1 「大きな悪手や疑問手はなかったように思います」

 
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激動の一日だった。

3月15日、プロ棋士とコンピュータとの5対5の団体戦「第3回将棋電王戦」の第1局が東京・有明コロシアムで行われ、将棋プログラム「習甦(しゅうそ)」が菅井竜也五段に勝利した。

第1局の会場・有明コロシアム

第1局の決着、第2局PVの発表。仕事が一段落して会場の外に出たときには23時を過ぎていた。改めて長い戦いだったと実感する。同行者と一日の出来事についてとりとめもなく話しながら、どこか満たされない気持ちがある自分に気づく。

菅井竜也五段

普段の対局にあって、将棋電王戦にないものがある。感想戦だ。対局者同士が一局を振り返り、どうすべきだったかを省みる時間。第1局の内容は、はっきり言ってしまえばコンピュータの完勝だった。素人目には人間のどこが悪かったのか見当もつかない。だが、調べれば敗因は出てくるはず――それが知りたかった。

菅井五段は関西所属、棋士になって5年目の21歳。通算勝率は7割を超え、今期も27勝10敗(3月17日時点)と勢いに乗っている。将来を嘱望される若手のひとりというわけだ。

それだけに、今回の敗戦は衝撃的だった。棋士側の完勝で始まった昨年とは雰囲気が違う。「敗因を知りたい」という思いには、一局の真実を求める自然な欲求だけでなく、希望を見い出したい気持ちがあったのも事実だ。

後日、菅井五段に取材を申し込んだ。電話に出た菅井五段の声は明るかったが、私が期待する答えは返って来なかった。「負けた側が言うことではないですけど」と菅井五段は前置きして言った。「大きな悪手や疑問手はなかったように思います」――。

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インデックス

目次
(1) 「大きな悪手や疑問手はなかったように思います」
(2) 「電王手くん」- 現場の張り詰めた緊張感を置き去りにするような微笑ましい一コマ
(3) 習甦は居飛車で受け「対抗形」と呼ばれるオーソドックスな戦型
(4) 本局の展開を決める岐路
(5) 菅井五段と竹内氏が並んで有明コロシアムを後にする

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