本田技研工業(ホンダ)は7日、東京・青山の本社で「2014 Honda モータースポーツ活動計画発表会」を開催した。2015年のF1復帰に向けての動きについても説明があった。

「NSX CONCEPT-GT」と伊東孝紳氏、GT500クラスの選手・監督らによるフォトセッション

発表会では、同社代表取締役社長執行役員、伊東孝紳氏が登壇。今年の四輪モータースポーツ活動に関して、「世界ツーリングカー選手権は、ワークスとサテライトによる4台体制でタイトル奪還をめざします。F1への登竜門といえるGP2シリーズに、国内のスーパーGTなどで活躍してきた伊沢拓也選手が今シーズンより参戦します」と述べた。

スーパーGTシリーズGT500クラスについて、「レース専用に新開発した直噴ターボエンジンとレーシングハイブリッドシステムを搭載した『NSX CONCEPT-GT』を投入し、ダブルタイトル奪還に臨みます」と伊東氏。2015年から参戦するFIAフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)にも言及し、「順調にパワーユニットの開発を進めています。1月より、四輪モータースポーツの開発拠点を本田技術研究所四輪R&Dセンターから栃木県さくら市の新拠点に移転し、F1を含めた開発体制をさらに強化します」と述べた。英国のF1活動拠点も、今年6月までにダイナモや組立て設備などの導入完了を予定しているという。

今年の二輪モータースポーツ活動については、「あらゆるカテゴリーの商品を提供する二輪メーカーとして、いままで以上に多くのファンの期待に応えたいとの思いから、新たにトライアル世界選手権・モトクロス世界選手権にも、『Team HRC』として活動を展開していきます」(伊東氏)と説明。ロードレース、モトクロス、トライアルの各選手権にダカールラリーを加えた4つのカテゴリーで、ホンダの取組みを強化するとした。

選手・監督ら総勢40名近く登場

この日は二輪・四輪の各カテゴリーの選手・監督も登壇。伊沢拓也選手、山本尚貴選手、中嶋大祐選手、佐藤琢磨選手ら、総勢40名近くが一堂に会してのフォトセッションも行われた。「NSX CONCEPT-GT」のほか、スーパーフォーミュラ参戦マシン「SF14」、スーパーGT・GT300クラス参戦マシン「ARTA CR-Z GT」なども展示された。

「エーアールティー・グランプリ」からGP2シリーズに参戦する伊沢拓也選手は、「自分にとってもホンダにとっても大きな挑戦となります。日本で経験し学んだこと、ホンダのライバルたちと切磋琢磨したことを自信として、この大きなプロジェクトを成功させたい」と今シーズンの意気込みを述べた。

昨年、インディカー・シリーズで日本人初優勝を果たした佐藤琢磨選手は、今年も引き続き、「A.J.フォイト・レーシング」から参戦。「目標であった初優勝は遂げたものの、シーズンを通して見ると非常に悔しいレースもありました。2014年シーズンは最後まで安定したレースで上位入賞を続け、複数優勝を狙っていきたいと思います」と語った。