シャープは21日、LEDシーリングライトの新モデル「DL-C604V」「DL-C504V」「DL-C304V」を発表した。DL-C604Vは最大14畳まで、DL-C504Vは最大12畳まで、DL-C304Vは最大8畳までの広さに対応する。発売は3月16日。価格はオープンで、推定市場価格はDL-C604Vが75,000円前後、DL-C504Vが65,000円前後、DL-C604Vが55,000円前後となっている。
LEDシーリングライトでは、調光機能に加えて、調色機能を装備するモデルが少なくない。多くの製品では、白色と電球色のLEDを組み込み、その2種類の明るさの比率を変化させることで、寒色から暖色までの調色を行っている。新製品ではこれに加えて赤色のLEDを搭載。3色のLEDからの光を混合することで「さくら色」の照明を実現した。写真は、新製品の点灯色だ。左から昼白色相当、電球色相当、さくら色の「ソメイヨシノ」、さくら色の「八重桜」となっている。
1日のライフサイクルのうち、起床、夕食、就寝などにあわせて明るさや光色を変化させるのが、シャープのシーリングライトで採用されている「エコあかリズム」だ。新製品ではこれに加えて就寝前には自動的に照明の色をさくら色とする「エコあかリズム プラス」を採用している。
同社の研究によると、さくら色の照明には「癒し」や「安眠サポート」の効果があるという。同社では昨年、総合医化学研究所に委託し、さくら色の照明効果の実証実験を行った。実験は、睡眠に何らかの不満のある20歳以上65歳以下の健常な成人男性23名を2グループに分け、それぞれ寒色・暖色の照明がある部屋と、さくら色の照明がある部屋とで交互に睡眠を取ってもらい、照明の効果を調べるというもの。その結果、桜色の照明の部屋で就寝した場合、より安眠できるという結果が出たとのことだ。なお、さくら色照明は、OHS協議会により「癒し快適エビデンス応援マーク」の認定も受けている。
構造面での改良も行われている。シャープ製のLEDシーリングライトでは、中心部分のセンターカバー周囲に配置されたLEDからの光を拡散させることで、シェード全体から光を出すような構造を採用している。新製品ではこの発光部分の構造を変更。従来はLEDと電源部分とが一体化していたのに対して、新製品ではこれを分離し、センターカバー部分の小型化と全体の薄型化を実現した。センターカバー部分の縮小により、発光面は従来より約13%拡大している。
市場では現在、LEDシーリングライトが非常に好調だが、中でもシンプルな機能のみに絞った低価格モデルが大きな伸びを示している。シャープでも低価格なモデルをリリースしてはいるが、LEDシーリングライトで先行している同社としては、価格のみの競争になるのは避けたいところだ。同社のLEDシーリングライト全機種が対応するスマートフォンとの連携機能や(シャープ製の赤外線機能を持つスマートフォンに限る)、今回のさくら色照明は、シャープ製LEDシーリングライトの今後のひとつの方向を示すものだろう。