米Appleから幹部クラスの人材流出が続いているという話がある。先日、Apple Retail Store立ち上げで功績のあったRon Johnson氏が同社を去り、その後任がようやく決まったという話を紹介したが、今度はiPhone/iPodエンジニアリング担当バイスプレジデントと製品品質管理のシニアディレクターが同社を去るという話が出てきた。どちらも10年近く同社に在籍していたベテラン社員で、少なからず影響がありそうだ。
今回話題になったのは2人の人物。1人はiPhone/iPodエンジニアリング担当バイスプレジデントのDavid Tupman氏で、もう1人は製品品質部門担当シニアディレクターのSimon Prakash氏だ。前者は9 to 5 Macが、後者はVentureBeatが、それぞれ報じている。
ソースによれば、Tupman氏はすでに昨年末の時点でAppleを退職しており、後任は決まっていないという。同氏はAppleのデバイス部門に10年以上在籍したベテランで、Apple以前はPsionに在籍するなど、モバイルデバイス業界での経験の長いエンジニアだ。もう1人のPrakash氏はやはりAppleに8年以上在籍していた人物。同氏もやはりすでにAppleを去り、ライバルであるGoogleに移って「秘密のプロジェクト」に参加しているという。
これら2人の退職がAppleにどの程度のインパクトを与えるのかは不明だが、このところ一線級の人物が同社を去ったというニュースが相次いでいるのは確かだ。9 to 5 Macによれば、この1年ほどの間に、冒頭にも触れたRon Johnson氏を筆頭とし、元Quattro Wireless出身でiAd部門トップだったAndy Miller氏、Mac OS XチーフのBertrand Serlet氏、グローバルセキュリティ部門バイスプレジデントのJohn Theriault氏ら同社を退職している。特にSerlet氏はNeXT時代からの社員であり、今回退職が明らかになった2人と合わせ、ベテランを一気に失った形となっている。