NECとNECネッツエスアイは17日、岐阜県加茂郡白川町に同社のAndroidタブレット「LifeTouch」を活用して独居世帯の安否確認・見守りを行うシステムを納入したことを発表した。2012年1月末から35世帯で利用が開始されるという。NECとNECネッツエスアイではこの実績をもとに、同様のシステムを「ライフコミュニケーションサービス」の名称で本日から発売する。

今回導入された「LifeTouch」

白川町の導入概要

白川町では独居世帯に対する見守りサービスとして、これまでは社会福祉協議会などによる電話連絡や民生委員による訪問を行ってきたが、このたび福祉対策強化の一環として、本システムと町内に整備された地域ネットワークをベースに、「LifeTouch」の画面上で独居世帯と自治体が連絡をとり、負担を軽減しながらきめ細やかな見守りを実現するという。

白川町におけるシステムでは、独居世帯に「LifeTouch」を配布し、自治体からメッセージを定期的に送信。各世帯から、画面上のボタンに触れるだけの簡単操作で様子を知らせることが可能。このやりとりのデータは世帯単位・全世帯で集計・グラフ化可能なので、自治体は集計データから各世帯の変化・兆候、全世帯の傾向をとらえ、新たな施策に反映できる。また、従来の訪問に加えて「LifeTouch」のテレビ電話を利用することで、コミュニケーションの頻度を高め、手厚いサービスを実現できるという。

今回導入された「LifeTouch」端末は、画面上のボタン配置・色合い・文字サイズのカスタマイズを行い、IT環境に不慣れな独居(高齢者)世帯にやさしい操作を実現している。

NEC/NECネッツエスアイからのシステム販売

NECとNECネッツエスアイの両社は、今回の白川町の導入実績をもとに、独居世帯の安否確認や見守りを行うシステムを「ライフコミュニケーションサービス」の名称で17日より発売する。このサービスでは、「LifeTouch」などのサービスを活用し、以下の機能が提供される。

  • 見守り機能……テキストや音声メッセージによる安否確認機能。ワンタッチで緊急通報ができる機能もオプションとして追加可能。
  • テレビ電話機能……高齢者でも扱いやすいテレビ電話機能。
  • 電子回覧機能……従来の回覧板に代わるものとして、行政からの情報を各端末に一斉配信する。通常のメールとは異なり重要情報としてポップアップ表示されるため、埋もれることなく確実に伝達できる。災害情報などの緊急情報は緊急音と共に表示可能。
  • 買い物支援機能……タブレット端末から地域各店舗が登録した商品を注文できる機能。商品の登録も各店舗で簡単に行え、買い物支援を通じた地産地消の促進による地域活性化も期待できる。
  • タブレット端末管理……自治体などに設置する管理システムから、各端末の利用者情報・稼働状況の一元管理が可能。アップデートや設定ファイルの更新も管理システムからアップロードできるため、端末利用者は煩雑な端末管理が不要。

このシステムは、2月10日(金)に東京国際フォーラムで開催される「NECネッツエスアイ Customer's Fair 2012」に出展される予定。

両社は、独居世帯・高齢者世帯が年々増加する中、安全・安心な社会や地域コミュニティの活性化に向けて、「ライフコミュニケーションサービス」をはじめとするソリューションの開発・販売を強化していきたいとしている。

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