All Things Digitalによれば、米Appleがこの1月末にもメディア関係者を対象にした"大きくはないが重要な"イベントを米ニューヨーク市内で開催する計画だという。ただしその内容は、登場が噂されるiPad 3や新型Apple TVなどではなく、オンラインサービスを中心とした出版関係の発表になる可能性が高いようだ。
この件を1月2日(米国時間)に報じているのはAll Things DigitalのKara Swisher氏。同氏は、「大規模ではないが、メディア関係で重要なイベント」がAppleによって開催される可能性を関係者からの話として伝えている。
だがその内容がiPad 3やApple TVのようなハードウェア製品の発表である可能性は低く、そういった製品の発表は通常通りサンフランシスコを含むシリコンバレーのエリア、あるいは映画会社の集まるハリウッドが所在するロサンゼルス周辺で行われる可能性が高いとしている。この1月末のニューヨークのイベントではAppleでインターネットソフトウェアとサービス部門担当SVPのEddy Cue氏が登場する見込みとのことで、iTunes StoreやApp Store、iBookstore、iAd、iCloudといったサービス関係の話題になる可能性が高いとみるべきだろう。
ニューヨークには大手出版社や新聞社、広告会社の本社が多く集まっており、メディア発信基地でもある。昨年2011年の同時期にAppleは、米News Corporationと共同でiPad専用オンラインマガジン「The Daily」の発表をやはりニューヨークで行っている。
翌3日に同じくAll Things DigitalのJohn Paczkowski氏が報じたところによれば、このイベントで発表されるのはiPadなどのデジタルデバイスを教科書として利用する、いわゆる「iTextbook」的なビジョンを実現するものだという。昨年逝去したApple共同創業者のSteve Jobs氏がやり残したビジョンの1つとして「デジタル教科書」が存在するといわれている。今回の発表についてPaczkowski氏は、「iTunes U」サービスと結びついてそれを補完する役割を果たす「教育分野におけるiBooks」という内容である可能性を関係者の話として示唆している。